第3話ライバル令嬢同盟
「ラーメン美味しいですわぁ」箸を器用に使いながら、ちゅるちゅると音をたてながら食べるリュリ。「「ホントに!」」二人の令嬢も頷いて同意を示す。
「ナデットさんは、どうやら転生者ではなさそうね。とりあえず、ゲームの強制力でテンプレ逆ハー展開は避けられそうね」フィアリスがはしたなく箸を上に向けながら安堵を示す。
「せやな、まぁ学園入学直前で目覚める可能性も油断は出来んけどなぁ」アパレル系で成功をしたジーナは、まだ油断ならないと警戒を強めている。「そうでしたわね」ジーナの警告にリュリは素直に肯定する。
「それはそれとして、ほんまにこの施設作ってよかったわぁ」どんぶりを手に飲み干してからひと息ついて言う。「そうねぇ、こんな姿は見せられないもんねぇ」3人はジャージ姿でいる。さすがに売り物としての人気は取れないのはわかってるので3人のこの施設内での普段着として使われている。
この3人の未来を守る三英雄の婚約者として、それぞれ3つの聖女の印である聖孤の卵、白色の女神の書、皇華の苗を授けられる。華は咲かず書は色を持たず、卵は孵らずヒロインの入学直前に各ルートで捨てられた印を拾い育てながら令嬢の婚約者を攻略する。
しかし、今の3人は現婚約者との仲も良好で、印にも認められている。その上、前世の知識チートを活かして平民の生活環境を向上させてるので、領民からも祝福されている。そんな立場を奪おうとしたら、確実に破滅ルートである。
「さて、そろそろ着替えて行きますか」リュリは立ち上がって着替えを始める。「おう、着付けたるわ」ジーナがリュリのドレスへの着替えを手伝い始める。
「また、緊張させてはいけないですし私1人で行きますわ」「おお、そうかぁ。よろしくな。礼言っといといてな」「うん、お願いします」1人だけドレスに着替えてナデット達を迎えに行く。
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