第2話今気づいたけど私も前世あったわ

「も、申し訳ありません」フィアリスの迅速な処置により一命を取り留めたパラリマは貴族令嬢に迷惑をかけてしまい冷や汗まみれになりながら謝罪をする。「大丈夫ですよ、迷惑なんて思ってませんから」穏やかな表情で応える。



「えっと・・・すいません。ガリックです。みっともない姿見せて申し訳ありません」頼まれた品が入っている麻袋を、両手で下から持ち上げリュリに差し出す。「はい、確かに受け取りました」渡された品を手に取り中身を確認した後に応える。



〜〜数十分後〜〜

「うわー、いい香りー」「ホントだなすごい匂いだ」ニンニク入りラーメンが目の前に出てきて2人の鼻孔をくすぐる。

「ぜひ、召し上がってください。挨拶も簡略式でよろしいですわ。私達の分は別の部屋に用意してありますのでおくつろぎください」簡略式とはリュリが日本から持ってきた『いただきます』のことである。女神の糧〜から始まる挨拶もあるが今では式典や大切な人との特別な晩餐の時くらいでしか使われない。



「「いただきます」」

リュリが出て行ったのを見送った後に、手を合わせて二人は宣言をして食事を始めた。「おお!こりゃあ美味いな!すげぇ」美味い美味い言いながらがつがつと食べるパラリマ。

ナデットは対象的に静かに食べている。


(あれ、これ遠い昔に食べたことあるような気が・・なんかもっと昔に・・)

ラーメンをフォークに絡めながらモチュモチュと食べながら美味しさと共に違和感を覚え始める。(なにかが違う)そう感じながら違和感の正体がつかめない



「ナデット、こ、こら」パラリマはいきなりの行動に注意わする。(これの食べかたは!)ナデットはフォークで麺を絡めずに垂らしたままくちに運びズルズルとすするように食べていた。パラリマの言葉は届かずに一心不乱に食べていた。



(私が昔、日本で食べていたラーメンだ、これは!あの屋台の食べ物、そしてリュリ、フィアリス、ジーナという名前。この世界はゲーム『ディスレット〜運命を導くお守りをあなたに〜』の舞台。だんだん思い出してきた)ラーメンを食べながら思い出していく原作。



(そして私は聖属性を持つ主人公でライバル令嬢のすてた聖属性を神属性にするお供とついでに婚約者との絆を育む。そしてそのお供はリュリの肩に乗ってた聖狐、フィアリスのもつ女神の書、ジーナの持つ皇華。普通に仲良さげだし、本も藍色になってるってことはパートナー化してるし、皇華は普通に花壇で咲いてた。私詰んでね?)

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