ライバル令嬢の地位が盤石なので転生ヒロインはストーリー終盤に再会する幼馴染の冒険についてきます。

@touhu-seisin0

第1話ラーメン食べたら前世思い出した。

「すごーい屋台がいっぱい。お祭りみたいだね。」

茶髪の少女が、屋台の賑わう広場で父親らしき男性に手を振って呼びかけている。それに応えるように男性も「ナデット。待ちなさい。そんなにはしゃぐと周りに迷惑がかかるぞ、もうそろそろ落ち着きを覚えなさい」と注意を促す。



ナデットの父親はパラリマといい農家を営んでいる。ガリックという食べると匂いのきつくなる貴族から下賤の食べ物として扱われている野菜も作っていたのだが、変わり者の公爵令嬢リュリ・リドートが「ぜひその食材が欲しい」と献上することになった。


このリュリお嬢様というのも大変変わり者で有名で、醤油、味噌、餡子などの新たな調味料にたこ焼き、焼きそば、ハンバーグといった見たことのない料理を次々と開発していき、王都の食事事情は平民冒険者の利用する屋台から高位貴族の利用するレストランまで多義にわたって大幅に改革されている。



「リュリ様にあってガリックを渡したら、その帰りに買おうな」ナデットに追いついた父親が頭を撫でながら話す。少女はゴツゴツした手を受け入れながら静かに頷いた。献上するだけなら兵士に渡すだけでいいのだが、長年嫌われた食材なだけあって、触れるのを嫌がられたため平民の野菜を平民が直接出向いて献上することになる。



献上する場所はリュリと仲睦まじいフィアリスとジーナが作らせたヒストと呼ばれる建物。ここで作られるのは新たな料理だけではない。フィアリスはマスクやオブラート新しい性能の粉薬など医療改革を推し進め、ジーナは着物や扇、コートやマフラー。それに化粧品などのアパレル系でトップを取っている。



ナデットとパラリマはリュリから「ぜひ、私の新作料理を戴いてくださいな」といわれてるのでご馳走になることになっている。



「ここがヒストか。大きな建物だなぁ。さすが貴族様だなぁ」田舎では見たこともない大きな建物に関心をしている。入り口前の花壇にも見たことのない花が咲いてるし、さぞ名のある庭師を雇っているんだろうなぁと考えている。



「お待ちしておりましたわ!パラリマ様。私の要請を受け入れこの王都まで足を運んでくれたこと感謝致しますわ」紫色のドレスに身を包んだリュリが肩に小さな狐を乗せて現れる。リュリだけでなく、藍色の厚い本を片手に持った黒髪の少女フィアリス、金髪のジーナ。

改革の三姉妹が揃って平民を迎えてた。(三姉妹と呼ばれてるが姉妹ではない)



「このた・・・ヒュッ」パラリマは倒れた。「パパ?パパー!」3人の伝説にかこまれ緊張が限界に達しキャパオーバーしてしまった。

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