第1章 人質皇妃としての生活
1-1
―― ガルアド
―― 戦争で
―― あぁ、なんて
―― お前は罪人の子だから、どんな拷問にも
出立前、姉王女たちと
今まで
ここは、
昨夜、
「やだ、私、どうしましょう……っ!」
自分がとんでもないことをしでかしたと思い、がばっと起き上がる。
そういえば、昨夜
―― そうか、彼の言葉通り「妻」としての務めを求められていないのだから、初夜など存在しなかったのだ。
つきり、と胸が痛む。
これはただの政略
自身の「人質」という立場をまた思い知らされてしまい落ち込む。
しかし、そもそも「人質」としてルビクス王国の役に立つために
そして、ヴァルトも同じことを望んでいる。
ならば、人質としての務めを全うすることこそ自分のやるべきことではないか。そう思い直し、フェルリナは「よし!」と両手の
(人質として私ができること……そうだ! 拷問に耐えなきゃって言われていたわ!)
早速何か……と考えて最初に思い出したのは、拷問のことだった。
(……拷問は
まずは、人質として
ルビクス王国のために。そして、夫であるヴァルトのために!
フェルリナが
「
ぞろぞろと入ってきたのは、皇城に仕える侍女たちだった。
フェルリナは
「あの、初めまして。わたしはフェルリナ゠ルビクスと申します」
「存じております。私は、妃殿下の専属侍女を拝命いたしました、リジア゠ロコットと申します」
フェルリナの
他の侍女たちも年齢層はあまり変わらないように見えた。
(こんな可愛らしい方たちが、わたしの拷問の準備をするのかしら……?)
「こちらで湯あみをお願いいたします」
「えっ、湯あみ……?」
「はい。それでは、私たちは
湯の準備を終えると、侍女たちはそそくさと出ていった。
フェルリナは一人、
(もしかして、熱湯による拷問……?)
人質であるフェルリナに、湯あみという
最初の拷問だ。心して受けなければ。
気合を入れて、フェルリナはドレスを
「……あったかい」
なんて
熱すぎず、冷たすぎず、体の緊張をほぐすような
(でも、わたしなんかにこれだけのお湯を使っても
感動していたのもつかの間、今度は不安になる。
これが拷問でないことはさすがのフェルリナにも分かった。
ちゃんとしたお世話の
フェルリナを一人にしてくれたのは、ここに来たばかりで緊張しているからという、彼女たちなりの
フェルリナはとある事情から他人に
だから、他人の目を気にせず、一人にしてもらえるのは本当に助かる。
侍女たちの
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