第3話 寛解
退職してからは、スケジュールが目白押しでした。イベントやセミナーへの出席。ビジネス・コーチとの打ち合わせ。中山マコト先生のダイヤモンド・プロジェクトも受けました。最悪、占い師でも食って行けるように、タロット・プロ養成講座も受けました。生活保護。それは頭から離れませんでした。最悪の場合は生活保護だ。そう考えて、家を売りました。住宅ローンは無くなりました。1700万円くらい損をしましたが。
教授からは、寛解との診断を受けました。しかし、事件が起き、警察に保護されて精神病院に入院させられます。そこの医師はこう言いました。
「仕事は無理です。はやく生活保護になってください」
私は唖然としました。なにしろ、この医者は私の診察をしていないのですから。
私は何故、警察が来たのかを考えました。私の思想が危険だから公安が入ったのか、宗教団体か政治団体の地雷を踏んだのかと思いました。何しろ私は重要人物でしたからね。
2ケ月入院しました。起業は立ち上がりからずっこけました。退院後、教授のいる大学病院に行きました。重い腰をおろして、駅前にオフィス兼自宅のマンションを借りました。しかし、体調は回復しません。私は行政に相談に行きました。
相談員は退職した職員が嘱託でやっていました。障害年金と障害者手帳を取れと言われました。自立支援も申請しろと言われました。感情の平板化もあり、私は大学病院に見切りをつけ、入院していたヤブ医者の病院に戻ります。
障害年金と障害者手帳を取得し、私はすっかり精神障害者になりました。
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