スズキ科

スズキ科は全世界に1属3種で、全種が日本で見られる。スズキLateolabrax japonicusは最も北方まで分布しており、北海道でも見られる種である。一方で、ヒラスズキL. latusはより南方に生息していて、主な分布域は茨城県以南の太平洋側と富山以南の日本海側。いずれの種も、琉球列島では稀。また、中国原産のタイリクスズキL. sp.も九州地方に定着している。

有明海産のスズキ集団はタイリクスズキとスズキの交雑集団を起源としているらしく、ミトコンドリアDNAでは種判別ができない。また、仔稚魚期の形態も普通のスズキとは異なり判別は困難だという。


スズキとヒラスズキの稚魚期での判別は、鰭条数、頭部の棘形質、眼上の小棘の有無によって行える。いずれも顕微鏡で観察する必要がある。特に、棘形質と眼上棘はアリザニンレッドで染色すると観察しやすい。また、成魚になれば尾柄部の太さ、体高、鰭条数、顎下の鱗の有無などによって比較的容易に判別できる。ヒラスズキは外洋性が強いとされるが、河川に侵入することも報告されている。

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