十話 「また髪、やって欲しい。……小学生みたいに」
アルバムとか他のことをしていたらもう9時になっていた。俺が風呂を入った後に桜が次に入る形になり。すでに入り俺は布団のところでゴロゴロとスマホでゲームをしていた。
「……ふぅ」
今、お風呂から上がった桜こっちに向かって歩いてきて布団のところに座り込んだ。
持っていたクシで自分の長い髪を綺麗にしていた。
「……」
懐かしいな……。
桜のお泊りしていた小学校の時も寝る前に髪をクシでやったな。
けど、結構髪が絡まり、引っかかってしまって桜を泣かしてしまったんだよな……。
「どうしたの仁?」
桜がこっちを向いて首を傾げていた。
「いや、小学生の時に髪をやったんだけど失敗しちゃったんだなって」
「あぁ……あったね。私がやって欲しいくて任せたんだけど、思った以上に痛くて泣いちゃったな……」
「小学生の頃は悪かった」
「大丈夫だよ。仁にやってくれたのは嬉しかったから」
「……ありがとう」
「うん」
桜を泣かしてしまったのは本当にやってしまったと思っていたからそう
「ねぇ仁」
「んっ?」
呼ばれ桜の顔を見た。
「また髪、やって欲しい。……小学生みたいに」
「えっ」
「……仁にやって欲しい、です」
持っていたクシを俺の方に差し向けっていた。
「えっいいの?」
「うん」
桜が小さく頷いてくれた。
「お願いしてもいい」
「――っ」
少し顔を赤くなっていて笑顔でお願いしてくるところは小さい頃のままで、彼女のことがやっぱり好きだなと感じてしまう。
「失敗するかもしれないけどいいか?」
「うん、いいよ。仁にやってくれることが嬉しいからして欲しい」
「……わかった」
俺は桜からクシを受け取った。
「それじゃあお願いします」
桜は後ろを振り返っていて、少し前かがみになっていた。
「――っ」
前かがみになっていたことで腰の辺り、肌が出ていて。それでいてパジャマの色合いとは違う色が出ていた。
じっくり見てしまったが水色の下着のラインが出ている。
そのまま視線を下に向けると小さいが少しふっくらとした桜のお尻があった。
「……うん」
自分も納得してしまうほど頷いてしまい桜の気持ちがわかってしまう気持ちだった。
好きな子のお尻をこうして見てしまうのはしょうがないのかもしれない。
それと同時に桜の長い髪が輝いていて、そっちのほうも目を向けてしまい。可愛らしい桜が今なお大人っぽく感じてしまう。
今は髪の毛を触りたい……。
そう思うと心音が鳴り響く。
「じゃあ触るぞ」
「はい」
桜の掛け声とともに髪を少し束ねて自分の方に持って行く。
小さい頃に桜に「少なく持ってやって欲しい」という言葉が今、蘇る。
そしてクシを桜の髪に当てて、根元の方から流れるようにとかしていく。
これも桜が小さい頃に教えてくれたことだった。
「大丈夫か?」
やってはいるけどこれが上手くやっているかはわからなかった。
「うん。……仁、上手くなった?」
「えっ?」
全くもって桜の髪とかは小学生以来触ったことはない。
「いや、全く……」
「本当に? 小学生より上手くなっているよ」
「――ッ」
素直に嬉しかった。
「……そういってくれるなんて嬉しいな」
「ふふっ。私のお願いを聞いてくれて。ありがとうね好きだよ仁」
「俺も好きだよ桜っ」
「……うん」
小さく桜が頷き。寝るまで桜の髪を綺麗にしていた。
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