九話「……はい」

 その後二人で荷物の整理をして荷解きを終わらせた。

「終わった!」

「終わったな……」

 慣れないことをしたから腰がキツイ。

「あぁ……」

 俺はソファーに座り込み隣に桜も座って軽めの背伸びをしていた。

「んっ?」

 桜はなにか気づいたようでテーブルの上の物を取っていた。

「これって仁のアルバムだよね」

「ん?」

 桜の方を向くと俺の名前で『№2』と書かれた昨日、整理していた中のアルバムを持っていた。

「まあ俺のだけどそれを見ても大抵は桜と一緒に写っていて全部知っているから。見ても対して変わらないんじゃないか?」

 小さい頃から桜と一緒に居たから写ってある写真とかも同じだと思うけど。

 それでも桜が頷いた。

「うん。それでもやっぱり仁の小さかった頃の写真みたいかな。好きな人の写真なんていくら見ても飽きないから私は好きだよ」

「お、おぉ……」

 また不意打ちを食らってしまった。

「それと仁の裸が見れるかもしれないし」

「もしかしてそれが目的?」

 桜が頷いていた。

「そうだよ? だって仁の裸は小さい頃から見てるから嬉しかったけど写真とかで見れたら嬉しいなって」

「……えっ、はい」

 こっちが顔を真っ赤になってしまう。残念だと思うけど、桜が期待してるのはほとんどないとは思う。

「……どうぞ」

「それじゃあオープン!」

 桜が俺のアルバムを開いた。

「あっこれ知らない写真だ!」

 開いたページを指でさしてきたのは動物にエサをあげているところだった。

「あー懐かしい」

 確かお袋と親父に無理やり連れてかれて動物園なんか楽しくないなって思っていたけど意外と楽しかったんだよな。

「兎が意外と暖かったんだよな」

「そうなんだ。……やっぱり仁の笑顔好き」

「……ありがとう」

 そして次のページを開いたりして、桜と意外と一緒に行ってなかった場所を語ったりしていた。

「次の……あれ? もうご飯だ」

「ん?」

 時計の方を見ると午後の6時になっていた。

「ご飯……インスタントラーメンでいい? この後も仁の写真を見たいから」

「いいよ」

「ありがとう! じゃあ用意するね!」

 桜がカップラーメンを用意してお湯を注いで3分経過した。

「それじゃあいただきます!」

「いただきます」

 テレビを付けながらラーメンを啜った。

「やっぱりこれだな……」

「ねぇ、お休みの日とかにお昼の時で食べるのが好き」

「わかる」

 定番のしょうゆ。あっさりとしていたがしていたがこのコシの食感と汁の少し油っこい感じが堪らなく好きになる。

 そのあとテレビで出ていたクイズ番組でどんな問題に答えながらして夕飯は終了した。

「それじゃあ仁のアルバム! 多分小学校生の時!」

 またして桜が持っていたのはアルバムNo.5と書かれていたやつを持っていた。

「仁の写真やっぱり楽しみ〜」

 俺は桜の隣に座り自分のアルバムを見た。

「……あっ」

「……っ」

 そしてページの始めに桜と俺とのお風呂で撮った小学校の写真が載ってあり。

 お互い全裸だった。

「えっと」

 桜がこっちの顔を向いてきた。

「……そのやっぱり仁の全部が、好きです」

 どんどんと顔と耳が真っ赤になっていく。

「俺も桜の全部小さい頃から見ているけどアルバムで見れて嬉しかった」

「――っ! えっ……あっ」

 桜の顔を見ると目元が結構泳いでいて、少し吐息が何度も漏れていた。

「……はい」

 そして桜は開いたお互いの裸が写っているアルバムのページを閉じた。

「いつかで良いので仁の成長した裸。見せて欲しい、です」

「――っ!」

 桜がまた新たにダンボールから開けた顔が大きい猫のぬいぐるみを自分の顔に押し当てていた。

「好き、だがら見たい……」

「えっおぉ……」

 思わず桜の方を向いて全身を見てしまった。

 そして桜が裸になった姿を想像してしまった。

 小さい頃に見ていて少しは意識はしていた桜の裸をまた、こうして見れる。二人きりというこの環境でということにもう、頭が火傷するかぐらいに一気に全身が熱くなっていた。

「その時は……お願いします」

「……はい」

 桜が猫のぬいぐるみを力強く抱きしめていのを俺は隣で観察していた。

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