十一話 「……起きないと大変だよ。というか私が収まりが効くかどうかわからないけど。いいの?」
「んっ……」
香ばしい匂いと共に差し込む日差しで目が覚めた。
「……んんっ」
けど眠い……。
「……」
目を瞑ったら布団の方に意識が持って……かれ、る。
タッタッタッ。
足音が聞こえる。
「仁起きて、朝だよ起きて。学校に遅刻するよ」
「んんっ……あと5分だけ」
「ベタなセリフだ」
この布団の誘惑が誘ってくるから仕方がない。
「起きて仁。朝だよ」
「んにゅ、んにゅ……」
桜に俺の頬をつつかれる。
「柔らかい………」
するとつつくのをやめた。
「朝だよ仁。朝だよ」
桜にまた体を揺さぶられた。
「……んんっ」
起きようと思うがやっぱり布団が離してくれない。
「……起きないと大変だよ。というか私が収まりが効くかどうかわからないけど。いいの?」
「んっ? ……うん」
もう、眠たいっていう気持ちが大きい……あぁ、布団あったか……。
「――っ! ……それじゃあさっそく」
なんかモゾモゾという音が聞こえてくるな。それと背中の方がめくれて寒い。
「仁。朝だよ起きて。起きても良いけど触るよ」
「……?」
触る?
スッ。
「――っ!」
俺の尻のところに何か当たっていて、一気に掴まれてた優しく撫でてきた。
「……仁。お尻柔らかい」
「――っ!?」
一気に心臓の鼓動が稼働し始めた。
そう今、桜にお尻を触られているのだと気がついたからだった。
「えへへ。仁のお尻朝から触れるなんて最高」
「……んっ」
近くにあった枕をそっと自分の方に寄せてただひたすら桜が満足をするまで待っていた。がそれから5分ぐらい触られていた。
「……あの桜さん、俺起きたんだけど」
「えっそうなのおはよう仁」
「おはよう……」
まさかお尻を触られながらおはようっていうことになるなんて。
「……ふう、よかった。よかった」
桜が満足したようで手を離した。
「……」
けど、逆に俺の方が桜に触れたいって気持ちが溢れてしまった。
「……なぁ桜ちょっといいか」
「んっ? なに仁」
「桜に抱きつきたい」
「――えっ⁉︎」
桜の方に顔を向けるとあっという間に顔を赤くなっていた。
「……えっ。えっと良いけど」
布団を掴んで顔を隠していたが距離が近ったから身体を丸めていて足を動かしている仕草がバレバレだった。
「……おぉ」
もう、その仕草に可愛すぎた。
「ごめん。もう桜のことしか考えられない」
「――っ! ……うん」
俺は桜の方に近づき。布団を持っている腕を少し上げて、そのまま桜の身体に俺の顔を押し当てた。
「――あっ!」
もう、わかっていると思うがそのまま桜の胸に顔を押し当てた。
思った以上に柔らかい。布団なんかよりも言葉に出来ないぐらいに好きすぎる。
「桜っ」
本当に好き過ぎてもっと顔を埋めてしまい。桜の体温と心音を求めてしまう。
「……仁。可愛いすぎるよ」
そのまま桜が俺の頭を抱きしめ撫で始めた。
俺も桜の背中に手を回して鎖骨をゆっくりと撫で始めた。
「……んっ仁、好き。そこを撫でててくれるの好き」
「……俺も好き」
「――っ! うん」
「……」
多分このまま続けたら遅刻は確定してしまうな……。
「桜、この続きは学校に帰ってからでもいいか」
「え!? お願いします」
桜が頷き俺と桜は一旦離れた。
「それじゃあ朝ごはん用意するね!!」
布団から出て桜は嬉しそうにキッチンの方に向かった。
「……」
予想以上に桜の体温とあの、胸が今さらながらに柔らかった。
「――あぁぁぁぁぁっ!」
一気に心音と顔が以上に熱くなっていき心臓がダイナマイトで破裂したかの様に爆速で動いていた。
熱過ぎるっ!
全身が以上に熱すぎてやばい……。早く洗面に行って顔を洗おう。
俺は急いで顔を洗い熱くなった体を少しでも冷ました。
「……ふぅ」
少しは冷めたと思うが心音がまだ異様に動いている感じがしていた。
「仁っパンが焼けたよ」
テーブルの方を見ると食パンの上にレタスと目玉焼きが乗っかっていた。
「おっおぉ……」
見るからに美味しそうで、朝からヨダレが出てしまう。
さらにポタージュまでついていた。
「えっなにこれ旅館ですか?」
桜の方に向くと笑顔で笑っていた。
「えへへ。そう喜んでくれたなら嬉しいな。さっきは仁の触れて嬉しかったけど、料理ももっと喜んでくれたら嬉しいな」
「それはもちろん! いただきます!」
手で食パンを掴むとレタスや目玉焼き。中からベーコンが落ちそうになったがなんとか受け止めて、ボリューム満点の食パンをかじりついた。
「んんっ!」
本当にボリュームが凄い。レタスのシャキシャキとしてみずみずしい食感に目玉焼きのとベーコンの塩加減がマッチしてきた。朝からこんなボリュームでいいのかと言ってしまうような食感がたまらなかった。
「んんっ……」
噛めば噛むほど食パンの生地とレタスの食感。卵のまでもが美味い……としか言葉に出てこない。
そしてポタージュで一口飲むと、
「……っ!」
一気に食パンにポタージュが吸い込み、卵との相性も抜群に美味かった。
「美味っ……」
「良かった。そんなに喜んでくれて」
桜が笑顔だった。
やっぱり桜の料理が美味い……。
ペロリと食べてしまった。
「ご馳走でした」
「良かった……喜んでくれて、それじゃあ着替えちゃお」
「そうだな……学校に遅刻してしまう」
俺と桜は急いで制服に袖を通して鞄を持った。
「……忘れ物は大丈夫か」
「うん。……大切なのは鞄に入れて置いたよ」
桜が自分のバックを小さく2回ほど叩いていた。
「それじゃあ行こうか」
「うん」
肩を履いてそのまま玄関の扉を開けて、
学校の方へと向かった。
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