七話 「……キス、しよう仁」
「んっ……」
桜がモゾモゾと動き出してきた。
「……?」
そしてなにか自分の異変に気付いたらしく。俺の身体をべたべたと触っていた。
「……――っ!」
そして俺の顔を見た瞬間。
「おはよう……」
「――あぁぁ……」
目を開けた瞬間。桜の顔と耳元が段々と真っ赤になり。
「「――あぁぁぁあぁぁぁぁぁっ!!」」
物凄い大声と共に布団がめくれ起き上がっていた。
「あっあぁぁっ! なあぁぁぁ! 仁が近くに……、幸せ過ぎて死んじゃう!」
手を耳元に当て顔を隠しながら地面に転がっていた。
「……」
可愛い……。
「……っ」
すると桜の動きが止まってこっちをジッと見つめてきた。
「……キス、しよう仁」
「え?」
彼女はさっきなんて言った……キスしよう。と言った。
そのまま彼女がこっちの方に来て覆いかぶさるように俺の上になっていた。
「――っ!」
そのまま左肩を掴まれそのまま俺の頬を優しく撫でてきた。
「仁っ……」
長い桜の髪がゆっくりと落ちていき、俺の顔に当たってきてくすぐったかった。
「――っ」
それと同時に桜に襲われているという状況に興奮してしまっている自分がいる。
心臓のリズムが自分が感じ入る感覚と実際の鼓動がズレている感覚だった。
「はぁ……はぁ……」
冷静になると何度も息をするが徐々に体温が上がっていく感じがしていた。
「……んっ」
彼女が髪の毛を後ろの方に持って行ってそのまま……。
キスをされた。
「――っ!」
息をしようとしたら口の中でぬるっと何かが動いていた。
「――――っ!」
もう、鼻息なんてしている余裕がなく。全身で口呼吸をしてしまい途中で息が苦しくなる。が、どんどんと体温が上がっていき。その口の中がようやく桜の舌だと実感した。
「――っ」
桜も息が出来なくなったのか口の中で空気が出来。それを全力で吸って、ようやく桜の顔が見えた。
「……はぁ、……はぁ」
桜も何度も息を吐いて吸ってを繰り返していた。
「やっと仁と、キスできた…………」
「はぁ、はぁ……」
意識がもうろうとして心臓がずっと敏感に動き回っていた。
「……もう、無理」
「――えっ仁⁉」
「……」
ついに何かの限界に達してしまい。二度寝をしてしまった……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます