第二章6「希望の戦士」
ハルトとリーシェはとある館の前で佇んでいた。煉瓦を積み立てたその造りは重厚でありながら、幾重もの硝子窓の存在もあって開放感に溢れた建物であった。縁を彩る白い列が程よい軽やかさを演出し、豪華さと言うよりも誇りを象徴するに相応しい存在感を纏っている。緑青色の屋根が少しだけ年代を感じさせるが、古めかしいという訳ではなかった。入口では小柄な黄色い旗が優雅に翻り、訪問者を歓迎している。道場や修練場と言う印象すら此処が、彼らの目的地である【職業適性診断所:モイテュオ】であった。
開け放たれた扉を、騎士や魔術師の格好をした人々が入れ替わり立ち替わりくぐり抜けていくのを見て、ハルト達もそれに倣うように館の中へと足を進めていった。
建物の中は、外観と相違ない整然さと美しさが広がっていた。左右に伸びた二階へと繋がる木造階段と、中心には円形の受付カウンターが設置されており、その奥には一際大きな厳かな扉が静かにその口を閉じていた。
二人はキョロキョロと辺りを見回したが金色のその人の姿は無く、受付へと近付いていった。
「ようこそお越しくださいました。本日はどのような御用件で?」
「あ、待ち合わせで……」
「お名前をお伺いしてもよろしいですか?」
決まり文句を口にしながら滞りなく作業を進める受付嬢は、機械的なようでどこか
「ハルト様ですね。確かに、二名様でご予約承っております。只今担当者を呼び出しておりますので、あちらのソファにお掛けになってお待ちください」
にこりと嫌味のない完璧な営業スマイルを顔に貼り付けた受付嬢は、ハルトとリーシェを少し離れたソファへと揃えた指先で促した。言われるがままに誘導される二人は、すとんと上質な皮張りのソファに揃って腰掛けながら、僅かな吐息さえも響き渡るような気がする空間の中で小さな疑問をひそひそと口にし合っていた。
「私、てっきりライヤ様がいるかと思ってたんだけど……」
「だよなぁ、それに二人ってことはリーシェも適性診断受けろってことか?」
「どうせ受けようと思ってたからむしろそれはありがたいんだけど、私一応B級だから結構お金掛かるのよねぇ」
「え、ここって金取るの?!」
「まぁ、我々も慈善事業ではありませんからね」
淀みなく二人の会話に混ざり込んだのは、魔術師とはまた異なるローブを纏った初老の男性であった。二人の背後からのそりと現れたため、二人は悲鳴をあげることは耐えたにしても大袈裟なまでに肩を揺らしてその登場に驚愕を示していた。
「あぁ、驚かせてしまいましたね、これは失礼。お待たせしました。私が担当者のクルックです、どうぞお見知り置きを」
初めまして、と無難に挨拶をする二人にニコリと人の良さそうな笑みを浮かべたクルックは如何にもなモノクルを身につけた人物であった。小脇に抱えた分厚い本も相俟って、つまり彼は鑑定師なのであろうことがハルトにも容易に理解できた。
「お話は伺っております。ハルト様は私と右側へ、リーシェ様は左側の階段を御上りください。手順は他の国の施設と同じ仕様となっておりますので」
「オッケー、やったことあるから大丈夫よ。ハルト、また後でね」
リーシェは冒険者としてはC級であるが、魔術師としてはB級である。そのため、何度か適性診断所を利用したことがあるのだろう。ひらりと頼もしい背中を見せたまま、左側の階段を上って廊下の奥へと消えていった。
ハルトもまた、クルックに連れられて右側の階段を上り、先に繋がる通路を進んで行く。いくつかの扉が並ぶ通路は広く、数人の剣士であろう人物の他に、斧や槍など所謂【戦士】であろう人物とすれ違った。彼等の多くは、戦闘にでも参加していたかのようなボロボロの格好のまま、酷く肩を落として出口に向かっていたが、一握りの猛者達は、堂々とした出立ちのまま自信に満ちた表情でハルトの隣を通り過ぎていった。
「ハルト様は初めて適性診断を受けられるのですよね?」
「あ、はい」
「それでは、やり方からご説明しましょう」
とある一室の前まで来るとクルックは立ち止まり、丁寧に扉をノックすると、中に居る誰かに向かってハルトを連れてきた旨を口にした後、静かにドアノブを回してハルトを室内へと誘導した。
その部屋の中には、誰も居なかった。ただ広々とした空間が広がり、その壁には様々な武器が整然と並んでいた。バスターソード、双剣、斧や槍から弓、銃などの飛び道具まで揃えられている光景は、その豊富な種類だけ職業が存在していることをハルトに認識させるには充分であった。
「ハルト様は【剣士】としての適性をお持ちだとお聞きしています。今回は初めての【適性診断】ということもあるので、引き続き【剣士】での【能力判定】ということでギルドから依頼をお受けしておりますが、宜しいでしょうか? もしも転職をご希望でしたら別途手続き及び料金が発生するのですが……」
「あ、いや、【剣士】でお願いします」
「畏まりました。 それではご説明致します」
クルックはハルトの足先から頭のてっぺんまでゆっくりと見定めるように視線を巡らすと、壁に飾られている武器の方へ慣れた手つきで指を躍らせた。彼の合図と共に、物言わぬ得物達の中から、ハルトが腰に掛けているロングソードと似たような形状の剣が彼の方へと静かにやってきたのであった。
「ハルト様はこの国では新たなオーダーメイド型の武器を造られるとお聞きしています。それに伴い、ハルト様の使いやすい形状の武器を予め診断してほしいとも依頼を受けております。まずは、現在使われている剣と近しいこちらの剣で現在の能力判定を行った後、スキルに合った武器を選ぶと言う手順で進ませていただきますが、宜しいですか?」
「え、そこまでやってもらえるんですか?」
正直に言うと、ハルトは【職業診断】と言うものはもっと手軽なものだと思っていた。鑑定スキルを使って、ものの数分もあれば自分の能力が分かるのだと。
「我々の創始者はカウピアス共和国出身なんですよ」
クルックのその一言で、ハルトは全てを察した。つまりこれは、彼等にとっては
「
突然聞こえた第三者の声は、思いも寄らない、という言葉が最早似つかわしい人物。ただ、その唐突な出現には一切慣れることはないため、ハルトは今日も大袈裟なまでに驚愕の表情を浮かべながら振り返ることでその人物を目にした。
「本日はようこそお越しくださいました、巫女様。お手を煩わせてしまい申し訳ありませぬ」
「こちらこそ。本人がどうしても外部が良いって言うから……我儘な子でごめんなさいね?」
彼等の話す内容をハルトが理解するにはもう少し後の事になるが、どうやら彼女はハルトの能力判定に立ち会うらしい。確かに、昨日ライヤはそう言った旨を口にしていたが。
「ギルド関係者ってまさか……!?」
「私も、
こてんと首を傾げて微笑む彼の人は相も変わらず美しかった。ただ、ハルトはそこに一抹の違和感を覚えたのだが、彼女との久々の邂逅で妙な緊張に包まれていた彼はその正体を見破ろうなどといった考えに至る事はなかった。巫女という存在は、常にハルトを惑わせる存在なのである。それにしても確かに、総括者である彼女はギルド関係者であるが、まさか本人が来るとは思ってもいなかったハルトの純粋な驚きは無理もない。
「悪いけど、今日は時間が無いからとっとと始めてくれないか?」
クルックに声を掛けた巫女のその言葉は本当なのだろう。挨拶もそこそこにさっとハルトに背を向けて部屋の隅にある簡易的なベンチの方へと足を進め観察、いや見守る態勢を作ったとあれば、クルックもハルトも次の作業へと取り掛かるほか無かった。
【能力判定】のやり方は至ってシンプルである。先程選んでもらった剣と己の所持するスキルを用いて、これから出てくる【敵】を倒すというものであった。ただし、魔術による直接攻撃ではなく、あくまでも剣術を使った攻撃のみを使用すること。例えば、ハルトの得意とする移動の際に【風】を利用する事は問題ないが、リーシェの様に直接相手に魔術攻撃を行うことはNGである。また、剣に風を纏わせて相手に斬りかかるというのも問題ないそうだ。
ちなみに、能力判定の結果、適性のある職業に進むことができため、ハインツの様な【騎士】へのクラスチェンジや他の武器へのシフトチェンジの可能性も生まれるのである。現在のハルトの適性は【剣士】というだけなので、明確なランクを知り得るには絶好の機会である。
「この辺りで良いんじゃない?」
「ですが、C級の彼には少しレベルが高すぎるのでは……」
ハルトが渡された剣の感触を確かめながらルールを繰り返して確認する中、巫女とクルックは何やら物騒な相談をしている。ちらりと彼が二人を見遣ると、巫女に珍しいまでのふわりとした華のような笑みを向けられてしまえば、その美しさと見慣れない無垢な女性らしさに、分かってはいてもつい目を逸らしてしまい、彼等の話す内容を悟る事は出来なかった。
「ま、万が一何かあったら私が対処するから問題ない」
(え、何かってナニ!?)
巫女の一声のみがはっきりと聞き取れたハルトは、自身の背中にぬるりとした汗が伝っていくのを感じながら、その嫌な予感が的中することが無いように祈った。もちろん、それは無駄骨に終わったのというのは、想像に容易い。
「ではハルト様、始めても宜しいでしょうか?」
「お、お願いします……!」
「うっかり死なないように気を付けてね」
「え、死ぬって!?」
思わず巫女の方を振り返り、その物騒な言葉の真意を探ろうとしたが——。
——グルルルル。
突如、ハルトの背後に大きな影が現れた。それは、彼の全身を悠に包み込めるほどの巨大な影。ゆっくりと振り返ったハルトの目に飛び込んできたのは、いつか見た黄金の巨狼——ではなく、一匹の紅の巨狼。その紅の目には、確かな殺意が宿っていた。その視線に、どくりと大きく脈打つ胸がハルトに凍てつく痛みを齎した。それとは相反して、彼の目には灼熱の痛みを伴いながらもある情報が浮かび上がってきた。
《【B級魔物:???ウルフ】 【属性】火 【弱点】水 》
(何だよ、これ……)
突如現れた情報にくらりとする頭を抱えながらも何とか紅狼と向き合ったハルトは、ちらつく虫食い穴だらけの情報に惑わされないように、グッと柄を握る力を込めて相手を見据えた。そんな彼の後ろ姿を、一人の女性があの月白の眼で以って静かに見つめていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
《剣士判定》
【名前】:ハルト
【判定】:C級剣士
【適性】
E級見習い弓士
E級見習い槍士
E級見習い棒術使い
E級見習い双剣士
C級風の剣士
C級騎士見習い
C級希望の戦士
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「はぁはぁ……」
ハルトの荒い息だけが静かな空間に響いている。そんな彼を余所に、巫女とクルックは宙に記された彼の判定結果を見ながら歓談を繰り広げていた。
「相変わらずしょっぼ……面白みのないごく普通の判定結果ね」
「C級で初めての判定であれば、これだけ適性があれば充分かと」
途中で表現を変えたのは、いつもとは異なり侍女の視線によるものであった。つい先程彼女の侍女であるルティルも部屋の中に姿を表していた。もしかしたら最初から居たのかもしれないが、それを知る術を今のハルトは持ち合わせていないし知ろうとも思えなかった。その結果だけが今の彼にとっては重要だったからである。
先程まで繰り広げられていた戦闘により、ハルトは幸いなことに死ぬという最悪な結果は免れたものの、疲労感は未だ拭うことが出来なかった。判定結果を確認したい本人である筈が、今は地面とこんにちは状態である。
先程の紅狼との戦闘で、ハルトは『死』——の寸前であった。
彼よりも上級の魔物である紅の狼、レッドウルフの意外にも拮抗した状態を保っていたのだが、彼の防御力の無さとスタミナの無さがその勝敗を分けたのであった。
(ダメだ、やられるっ——)
緊急回避も風を生み出すだけのマナも残っていなかった彼は己の敗北、つまり彼女の言う『死』を悟ったのであったが、その直後の事である。
ハルトの前に、一人の天使が舞い降りた。
「る…てぃる、さん……?」
「ハルト様、ご無事でしょうか?」
ルティルの背後は後光が差しているが如く真白であった。低い体制のまま表情の無い顔で倒れ伏すハルトの顎を優しく持ち上げる仕草は、まるで
「安心してください。私が傘を開いたとき、それは
彼女が小さく淡々と告げた言葉が理解できなかったハルトであったが、その結果はすぐに訪れた。
ルティルは、傘のハンドルについている下はじきとは異なるボタンを静かにカチリと押した。次の瞬間、幾重もの銃撃音と共に獣の雄叫びが部屋中に響き渡ったのであった。仁王立ちになる紅狼と傘の間には無数の弾丸が床に散らばる中、さらに彼女がボタンを二度連続で押した途端、一際大きな銃声と共に石突から閃光が放たれ、轟音と共に紅狼が壁へとめり込みながら磔状態となり無惨にその命を散らせていたのであった。その巨体の中央にはぽっかりと大きな孔が広がり、傷口からは白い血を流していたのである。無論、無数の銃弾による傷跡からも止めどなく流れていたのは言うまでもない。
「本当、物騒な従者ばっかりねぇ」
安っぽいベンチに靴を脱いで行儀悪く座るその人は、呆れたような愛おしむような顔でその光景を眺めていたのであった。
「それにしても、【希望の戦士】とは初めて見た分類ですね?」
先程までの戦闘のことなど忘れたかのように、手元の分厚い本をペラペラと捲りながら、クリックは己の疑問を口にした。どうやら彼にとっても始めての分岐先であるらしく、他の適性と異なり妙に抽象的な表現のその項目に対して戸惑いの中に隠す事のない好奇心を滲ませていた。
「良いんじゃない? 【希望の戦士】」
(俺の分岐先を勝手に決めないでくれ……というか色々待って欲しいんだけど)
声に出して抗議したいところ、情けないことに起き上がることは出来ても、へたりと地面に座り込んだまま動くことはおろか声を出すことは未だ難しい状況のハルトは、二人の呑気な会話を整わない自らの息の隙間から聞き取るのが精一杯だった。ルティルの癒しの魔術により、傷口などは綺麗に治療されたものの、体力ばかりは己で回復させるしか無いのである。無表情のままであるが、甲斐甲斐しくもルティルは手に持っている扇子で彼を扇いでくれているのだけが、彼にとっての唯一の安らぎであった。
「冒険者だったら変に拘るより好奇心を擽られるものを選ぶのが良いと思わないか?」
向けられた問い掛けはその機能を失っており、誘導された訳では無いが、ハルトの選択の先は彼女の思うがままとなった。彼女の月白の眼に絡め取られたらハルトは、己の意思で彼女の導きに従うことにした。
(騎士になりたい訳じゃないし、武器も今更変えるのはなぁ……順番的に言えば、【風の剣士】だけど——)
もしここで、彼が他の選択肢を選んでいたら——。
その答えを知る者は、最早誰も居ないのである。彼の人さえも。
漸く身体を起こした冒険者の少年は、己の意思でそれを選んだのであった。
「【希望の戦士】を、選択します」
確かな決意と期待感、そして好奇心を含めた顔はやはり冒険者の顔をしていた。
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【希望の戦士のスキル】
希望の選択 B
信じる心 B
正義の心得 C
勇敢な決断 B
近接適応 C
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新たに表示された項目を四人は揃って確認していた。
「見た感じでは、【剣士専用スキル】が備わっていることから剣士の上位ランクであることは間違いないかと」
クルックが上の二つ以外のスキルの説明をしてくれたが、彼にとってもその二つは見知らぬ物であったようだった。騎士よりの剣士、という印象を与えるスキルが並んでいるらしく、勿論今後の経験次第でスキルが増えていくそうだ。
クルックの明瞭な説明をハルト同様に黙って聞いている巫女の姿が彼にとっては妙に印象的だった。彼女は何やら考え込んでいる様子で、顎に手を当てたままじっと宙の文字を見つめていた。
(【希望の選択】と【信じる心】、ね。やはりそうか、悪くないな)
普段であればすぐに反応する筈の声が彼女の元には聞こえてこない。どうやらいつもの影は側に居ないようだ。そんな彼女の側に控えるルティルがちらりと主を伺うその表情は、ほんの少しだけ、暗い。
一先ず、ようやくハルトの能力診断が終わった事で彼は名実ともにC級冒険者へと昇級し、おそらくC級の剣士タイプへと昇級したのであった。
受付ロビーまで四人で戻ってきた所で、ハルトは先程の戦闘の疑問を口にしていた。
「あの、さっきの魔物のことなんですが……」
「あれは、お人形さん」
「お人形?」
「巫女様……そのような言い方は営業妨害で御座いますぞ。ハルト様、あれは【魔物モドキ】でございます」
「魔物モドキ?」
クルック曰く、売れない芸術家達の働き口として精巧な魔物の彫刻製作を依頼し、魔導具によって本物の如く動くようにしている訓練用の人形の事を【魔物モドキ】と呼んでいるらしい。
「診断所の利用者数は案外と多いので御座います。魔物といえど生命には代わりは無く、診断の度に彼らを利用しては一部の上級魔物を除いて、大陸中の魔物があっという間に滅んでしまいます。鑑定師を雇うことも考えましたが、彼らもまた希少な存在のため、既に大型ギルドと契約されている方が多く、専属契約となるとまた難しいのです。そこで、芸術活動と魔導具技術が盛んな砂漠の国、アーヴィッコ国のギルドと提携して魔物モドキを利用する事業を起こしたという訳です。今では各地の訓練所でも使われている列記とした看板商品で御座います」
考えられて作られた診断所のビジネス体系に驚きながらも、鑑定師の存在の希少性についての認識を改める事を心に誓ったハルトが、何食わぬ顔で隣に立つ麗人に自然と目を向けてしまったのは仕方がない事である。そこで、再び彼女に対して違和感を覚えるも、無意識に向けた目が彼女の唇を捉えた途端、先日の光景を思い出して一人で顔を赤らめる羽目になったハルトは、まだ気付かないのであった。
その時、何とも間が悪い事に診断を終えたリーシェが階段を降りてきたのだが、ハルトを見つけたと同時にその人物を捉えたようで、瞬時に不機嫌を露わにしたのであった。
「ハルト! 終わった、の……って何でアナタ様がココにいらっしゃるんですか」
「あら、ライヤから聞いてないの? あの子ったら意外とそそっかしいのね」
澄ました顔で答える巫女の隣に立つハルトの、赤くなった頬を見たリーシェの機嫌が急降下するという微笑ましい限りの光景が広がっていたのも束の間。
建物全体を揺るがすかのような衝撃と轟音が突如としてハルト達に襲いかかったのであった——。
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