第4話「メリーさんは寂しがり屋」

ある所に1つのフランス人形がありました。そのフランス人形は1人の女の子にとても大事にされていました。ですが、その人形の幸せは簡単に続きませんでした。その女の子が引越しする事になり、その時に古くなった人形は捨てることになり、フランス人形は捨てられてしまったのです。人形はその女の子を強く愛していました。捨てられた時のショックによりその愛は憎しみへと変化し、いつしか人の手を使わないと移動できない体は意思を持ちだし、その女の子の元へとゆっくりと動き出したのでした。人形は女の子を愛しすぎていた、それが女の子の命をそこで尽きさせる事になってしまうのだ。人形は女の子の家の電話を鳴らすことが出来ることに気づき、何度も電話をかける。そして、人形の速度は段々と早くなる。女の子を愛す気持ちと捨てられたショックによる恨みが人形を強く動かすのだ。そしてついに、フランス人形は女の子の元にたどり着いた。だが、その姿はもはや子供が遊ぶフランス人形ではなく、恨みと愛が複雑に絡み合う感情をコントロール出来ないただの怪異である。その日、女の子は突如として姿を消した。フランス人形は女の子を別の次元へと連れ去ってしまったのだ。永遠に一緒にいられるように。後に判明するのだが

その人形の名はメリー、メリーは気に入った人間の子を見つけると、その子の事を呪い「私メリーさん、今○○にいるの」と電話をかける。そしてどんどん近づいて行き、最後に「私メリーさん、今貴方の後ろにいるの」といって、その子をまた別次元に連れ去る様になったというお話を皆様は知ってますか?

「本当の事と嘘の事が入り交じっていて、私はそんな気はないのに酷い言われようで少し傷ついてしまいました。私、メリーはただ 寂しくてお友達が欲しかっただけなのに、 そんな言い方をしなくてもいいではないですか、確かに最初に私を捨てた女の子を襲ったのは恨みがあったと言えます。ですが、恨みより私は悲しみと寂しさで動いたというのが本当の話です。でも、気づいたんです。人の子をどれだけさらっても私の気持ちは晴れない事に、だって私がさらいにいくって、人の言葉では誘拐ですし、さらった子の家族は私と同じ気持ちになるはずです。だから私は同じ怪異の人とお友達になろうと思っています。この春から私は学校という場所に行くのですが、そこで本当のお友達を沢山作りたいです。そうしないと、寂しさでまた私は暴走してしまうから、怪異としての規律を守って美しい学校生活を目指すとします」

寂しがり屋で真面目なメリーさん。彼女は寂しさを無くせるようにお友達が沢山できるといいですね。


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