第3話「テケテケちゃんは前向き」

吹雪いてた日の夜の事。1人の女子高校生が電車に引かれて上半身と下半身が真っ二つになってしまった。その日はとても温度が低く、女の子のバラバラになった体の血管は少しづつ凍っていき、死ぬまでに時間がかかり苦しんだという。それからというもの、夜中に赤いものを身につけているとその女の子の上半身だけが物凄いスピードで追いかけてきて体を切断されてしまう話を皆しってる?

「それがテケテケって言われてる今のあーしの話なんだよね。マジうけるんだけど」

「確かに、あーしは死ぬまでに結構時間かかっちゃたよねー。あれはキツかったなー。

普通に体パッカンしただけならまだしも、血管カッチカチになっていく感覚はまだ覚えてるわー。でも、そんな経験してるのってあーし入れてもあんまりいないと思うんだよね。そう思うとそんなレアな死に方できたんだってちょっとだけ上がるんだよね。まぁ確かにお父さんとお母さんには親孝行もしてあげられなかったからそこだけはどうしても後悔が残るんだけどね。クヨクヨしててもしょうがないし、あーしはこの死後の世界って奴から見守ることに決めたんだけどね。未練ってのが残っちゃってこの世に居残りって訳。

学校だけで居残りは十分だっつの、でもこれからあーしは歳も取らないから永遠にJKってことだから、永遠にアオハル的なww?

それに、あーしもこの春から新しい学校で人の怖がらせ方について勉強する事になって、もう新しい友達も2人出来ちゃったし、マジでテンション上がりまくってるわ。最後に言いたいことがあるんだけどね。あーしみたいな幽霊は人間の子達が怖がって噂をやめてくれない限りはこの世にずっと縛り付けられちゃうんだよね。だから、忘れろとは言わないんだけど、あーし自体は人を襲った事はないし、他の悪霊とでも間違われてるんだと思うからテケテケは怖いって噂は出来るだけやめて欲しいかな。皆がやってもないことを噂されたら嫌な気持ちになるように、あーしもそういう事をされるとテンション下がるからさ。

まぁ、ダラダラ喋ってても仕方ないしさ、今日のあーしの出番はここまでかな。じゃあ、これからのあーしの活躍に期待しててね」

かなりマイペースでテンションが高いテケテケちゃん、これからの学園生活もきっとアオハルな時間を過ごせるでしょうね。

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