21:Summer Vacation
今日から夏休み。そして親父が千葉に引越し今日から一人暮らし。のはずだったのだが。
「すまん、海斗。間違えてこの部屋解約しちゃったんだ……」
「は????」
何個ハテナを並べれば良いだろうか。かつてここまでポンコツな親がいただろうか。
「いつになったらこの部屋出ないといけないんだ?」
「今週はまだ大丈夫らしい」
「そうか……、まあ、考えておくよ」
この部屋にいれないとなると、親父と一緒に千葉に引越し?それとも別の部屋を探すか、だが。
とりあえず喫茶店に向かうか。
玄関の扉を開けると
「あ、志崎くん。おはよう」
「おはよう、山下さん」
「ん?何かあった?」
「うん、ちょっとね」
ちょっとのレベルでも無いが
「良かったら話聞くよ」
さっきの出来事を山下さんに話した。
「大変だね……」
「そうなんだよ」
「あの、もし良ければなんだけど、わたしと一緒に住む?」
「え、いいのか?」
「うん」
「いや、でも……」
「わたしは全然気にしないよ」
「山下さんがいいなら」
「うん、よろしくね」
「こちらこそ、お世話になります。」
と、唐突に俺の同棲生活が始まった。
とりあえず、店に来た。
すると、真優さんが悩んでいるような表情をしている。
「どうかしたんですか?」
「彼氏が出来なくってさ……」
「そ、そうですか」
余計なことを聞いてしまった。
てか、結局出来なかったのかよ。
そんな話をしていると遙香さんが
「数日お休みにして、みんなで旅行でも行かない?」
「旅行ですか?」
「うん」
「なんで」
「真優が可愛そうだったから?」
「遙香、喧嘩売ってる?」
「売ってないから、買おうとしないで」
「旅行って、どこ行くんですか」
「逆に、どっか行きたいとこある?」
「俺は特にないですけど」
「わたし、温泉行きたい」
「こんなクソ暑い時に温泉ですか?」
「別にいいでしょ」
「海とかじゃなくていいんですか?」
「うん、女ひとりで海いても悲しい目で見られそうだし……」
めっちゃ気にしてるじゃないか。
「で、いつからですか?」
「次の定休日からかな」
「で、結局どこに行くんですか?」
「日光とか?」
「はあ、温泉にするんですね」
「嫌?」
「別にいいですよ」
「じゃあ決まりね。ちゃんと予定空けといてね」
旅行なんでいつぶりだろうか。と言うか旅行って何持ってけばいいんだ。よく分からないな。
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