18:Ranking
二位?一位じゃないのか?一位は……
『一位
誰だ?聞いたことがないから違うクラスのやつだろうけど、二位ってなんか悔しいな。
すると横に来た女子たちが
「凄い、みづき一位じゃん!」
「たまたまだよ」
こいつが、橋本みづき。なんか見た目がめっちゃ頭良さそうだな、とかめっちゃ頭の悪そうなことを思ってしまった。
名前の横に点数が載っているが二位、つまり俺から下の奴らは点数が拮抗しているが、俺はこいつに十二点差もつけられている。
まあ、気にした所でどうしようもない。
「海斗おはよ〜、テストどうだった」
「おはよう、優依。見ての通りだ」
「二位だったの?凄いじゃん」
「どうせだったら一位を獲りたかった。」
「まあ、次もあるから次の時に一位目指せばいいんじゃない?」
「そういうもんか、まあ、そうだな」
「じゃ、わたし先に教室行くね」
「ああ」
今度は山下さんがやってきた。
「おはよ、志崎くん」
「おはよ、山下さん」
「へぇ、二位だったんだ、凄いじゃん」
「山下さんこそ四位じゃないか」
「志崎くんが勉強教えてくれたおかげだよ」
「そう言って貰えると嬉しいな」
「でもそっか、一位じゃなかったんだ」
「うん」
「次こそは一位獲ってね」
「そのつもりだ」
「じゃ、教室行こっか」
悔しさを隠しつつ教室に行く。すると机の上に手紙が置いてあった。誰からだろうか。
『橋本みづき』
なんでやつが俺に手紙をよこすんだ。
中身を見てみると
今日の放課後、屋上に来てください。
と書いてある。どういうことだ。
そもそも、屋上って行けるもんなのか。聞いてみるか。
「先生、屋上って行っていいんですか?」
「行っちゃダメだけど中央階段のところの鍵が壊れてるから普通に行けるぞ」
「そ、そうなんですか」
なんかあっさりといい情報を手に入れた。
その日の授業は基本、試験用紙の返却などがメインだったから、随分と軽い一日だった。さあ、屋上に行こう。
「海斗、一緒にバイト行こ〜」
「すまん、優依。用事が出来たから少し遅れる」
「う、うん。わかった」
中央階段は……ここか。
確かに鍵が壊れている。と言うか、壊されている。
扉を開けると一人の女がいた。
「おい、来たぞ」
「ん、君が志崎海斗くんだね」
「そういうお前は橋本みづきだな。俺に何の用だ。この後は用事があるから手短に頼む」
「単刀直入に聞くけど、君さ人の心の声が聴こえるんだよね?」
「は?」
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