17:Test
体育祭が終わり、次は試験がやってくる。
俺は勉強出来る方なので、それなりの点数は取れるだろう。入試も一番点が高かったというし。
まあ、一応対策はしておこう。
「海斗〜、勉強教えて」
と、優依が声をかけてきた
「お前、勉強出来ないのか?」
「別に出来ないって事では無いけど、教えてくれるんだったら教えて欲しいなって」
「ま、いいけど」
「今か?」
「うーん、今日の放課後とか」
「わかった」
勉強なんて人に教えたことなんてないんだけどな。上手く教えられるだろうか。
そんなことを思っていると
「志崎くん、今日空いてたら勉強教えてもらいたいんだけど」
「わかった、どこでやる?」
「図書室とか?」
「放課後でいいんだよな?」
「うん」
「あと優依も一緒にいいか?」
「優依ちゃん?全然いいよ」
「じゃ、放課後な」
「うん、よろしくね」
放課後になり、優依と山下さんと一緒に図書室に向かう。テスト期間で部活がなく、いつもの騒がしさはなく少し寂しい気もした。
図書室に着くと、先客が何組もいる。なんとか席を確保し勉強を始める。
「ところで海斗は勉強できるの?」
「一応入試は一番点が高かったらしい」
「そうなの!?」
「先生に言われた」
「海斗って勉強できるんだ、意外」
「なんか失礼だな。ほら、勉強始めるぞ」
二人とも、それなりに飲み込みが良かった。山下さんは普通に頭良いと思う。しかし優依は集中力が無かったのでほっといた。
その後も、ほぼ毎日の様に放課後は図書室に集まって勉強をしていた。そして試験当日がやってきた。二日間行われる。一日目は、数学、英語など地味に重めのやつが固まってる。俺はおそらく普通に平均点は取れるだろう。
そんな自信があったおかげか、本当にすらすらと簡単に解けた。山下さんもそこそこやれていそうだった。優依はと言うと
「海斗〜」
「どうした?」
「難しかった……」
「勉強しないからだろ、俺は知らんぞ」
「せめて明日の分だけでもいいから後で教えて〜」
「時間あったらな」
しょんぼりしながら去っていった。
結局その日は勉強は教えなかった。時間はあることにはあったのだが自分の勉強にも時間を費やしたかったからだ。
そして迎えた二日目。相変わらず皆ピリピリしている。しかし俺は余裕そうに携帯をいじっている。満点を取れる気しかしないからだ。変なフラグを立ててしまったが本当に満点を取れる気がする。
その日の試験は予想以上に余裕で解けた。本当に満点を取れたと思う。結果発表が楽しみだ。成績上位者は廊下に順位が張り出されるらしい。
試験から一週間程がたちいよいよ今日、順位が発表されるらしい。どうやら上位十名のみのようだ。四位に山下さんがいるな。凄いじゃないか。そして俺は……
『二位 志崎海斗』
二位だった。
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