15:Sports Festival
いよいよ体育祭当日だ。とりあえず競技で変なヘマをしなければ良しとしよう。
体操着のまま登校という体育祭では定番の光景を山下さんと一緒に教室から見下ろす。今日は快晴。体育祭日和と言うやつだ。
そして予定通りに体育祭が始まった。最初の競技は障害物競走か。定番と言えば定番の種目。俺は出ない。出たくないと何回も頼んだら何とかなった。顔に粉が付いたりするのはゴメンだ。
「あ、わたしだ」
「え、山下さん障害物競走出るの?」
「うん。出るけど」
コースを見てみると、最初にハードルがあるな。あの時準備したのはこれのためか。次に口でパンを取るやつだ。あとは麻袋で飛んで進むやつとかがある。大変そうな競技だ。
障害物競争が終わった。なんと山下さんは一位だった。それもぶっちぎりの。
競技を終え、戻ってきた山下さんに声をかける。
「一位なんてすごいな」
「ありがとう。思った以上に疲れたよ」
「お疲れさん」
次はクラス対抗リレーか。これは全員参加な訳なんで、俺も走る。そしてトップバッターである。緊張しかしない。てかなんで俺がトップバッターになってるんだ。
バトンを持ち、位置につく。まじで緊張するな。山下さんに『頑張って』と励まして貰った。
「位置について、よーい」
ドン
始まった。スタートダッシュはまあまあと言ったところだ。
現在一位とてもいい感じだ。スピードを落とすことも無く半周を走り切りバトンを渡す。
「ハァ……ハァ……」
まだ一位のようだ。自分で言うのもアレだが俺のおかげだろう。
そのまま一位をキープし続け無事一位フィニッシュ。体育祭なんてやりたくないとか思っていたが、実際やってみると案外楽しいものだな。
次は借り物競争……か、あの紙に書いてある人と一緒に走るやつか。ずっと座っていたいな。もう走りたくない。と言うか走る競技多くないか?こんなものだろうか。
「ん?山下さん出るのか?」
「うん」
なんか大変だな。生徒会って事で個人で出る競技数は減らしていいと言われたから俺は思う存分減らした。
そして、借り物競争が始まった。こういうのってほんとに好きな人とか書いてあるものなのだろうか。そんなことを思ってると
「志崎くん、いい?」
まじかよ、来るのかよ。う〜ん、断るのもアレだしな。行くか……
そのまま一緒に走り一位とはならなかったが二位。充分だろう。
「そう言えば紙にはなんて書いてあったんだ?」
「うーんとね、内緒かな」
内緒か。余計気になってくるな。まあ同じ委員会とかそんな感じだろう。
色々ありつつも無事に体育祭は終わった。
疲れたしさっさと帰るか。帰る支度をしていると
「志崎くんこのあと時間ある?」
山下さんが話しかけてきた
「うん、大丈夫だけど」
「じゃ、わたしの家に来てくれない?」
「はい?」
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