14:Meeting
週末が終わり月曜日がやってきた。今日から体育祭の準備が始まる訳だが。何をやるもんなのだろうか。
そして、あっという間に放課後になった。
生徒会は基本的に体育祭の実行委員と会議をしたりして当日の競技の順番決めや、時間の割り当てを決めるという思ったより楽な仕事だった。
ほんの三十分程度で終わった。
「今日はシフト入ってないからそのまま帰ろうかなって思ってるんだけど山下さんはどうする?」
「じゃあ、わたしも一緒に帰ろっかな」
「了解だ、そんじゃ帰るか」
帰宅すると親父が出迎えてきた。
「おかえり海斗、ちょっと話があるんだがいいか?」
「ああ」
「実はな父さん転勤する事になってな」
「はあ、転勤。どこ」
「千葉だ」
めっちゃ近かった。もっと遠い所だと思ったわ。
「ほう。それで?」
「この家から通ってもいいんだがちょっと遠くてな、引っ越そうと思ってるんだが、海斗はどうしたい?」
「俺はここにいたいかな」
「そうか。一人暮らしになるけど大丈夫か?」
「大丈夫だろ。一人暮らしとか言っても、どうせ週一くらいで会いに来るんだろ?」
「わかってるじゃねえか。さすが俺の息子だ」
「何を誇らしげに語ってるんだ。それでいつからだ?」
「一月後くらいだな」
「そうか」
「寂しいか?」
「そんな歳じゃねえよ」
「それもそうだな」
転勤か。喫茶店で働いてるから、つまり店の場所が変わるということか。
「親父の職場って喫茶店だよな。何かあったのか?」
「今使ってる喫茶店の建物が随分古いらしくてな、それで取り壊すらしいんだ」
「なるほど」
「まあ、なんか。頑張れよ」
「おうよ」
それから数日が経ち体育祭前日となった。今日も相変わらず会議だ。準備というより会議だ。当日の注意事項などを確認し前日会議は終わった。
会議の後は山下さんと一緒にいるのが定番になっていた
「なんか最近志崎くんの家物音するけど何かしてるの?」
「悪いな。うるさかったか?」
「あ、いや、別にそういう訳では無いんだけど」
「実は親父が仕事の事情で引っ越すことになってその準備をしてる音だと思う」
「志崎くんも引っ越すの?」
「俺は引っ越さないで一人暮らしって感じになる予定」
「そ、そうなんだ」
山下さんの顔は何故だか安堵してる様に見えた。
「明日が本番という事で今日はバイト来なくていいって言われたしもう帰るか」
「うん。そうだね」
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