13:Promise
まあ、ホームページと言っても簡単なものだ。SEO対策をして適当に店内の様子とか地図などを載っけただけのものだ。それでもアクセス数は、それなりには伸びている。まあ結局、客が来ない事には意味が無いが。明日は土曜だし、いつもより来てくれると嬉しいが。
迎えた土曜の開店。
開店してから十分経たずに新規のお客さんが二組も来てくれた。SNSの効果は絶大だな。
結局今日はそれなりに客が来た。少なくとも俺がここで働き始めてからでは今日が一番来ていた。今までは、常連が数人来てた程度なので、働いてる感があまり無かったが客が増えたこともあってようやく働いてる感が出てきた。
「へー、SNS始めたんだ」
なんかちゃっかり山下さんも来てくれた。
「うん。若い人に来て欲しいって言ってたからSNSは効果あるんじゃないかなって思って。そしたら案の定効果あったって感じ」
「そういえばさ、照明変えた?」
「そうそう。昨日見学に行った時、真っ白よりかはオレンジがかった方が落ち着くみたいなこと言われて」
「確かに喫茶店ってそう言う物だしね。」
「というか、来てくれるのはありがたいんだけど用事あったりとかしないの?」
「大丈夫だよ。こう言っちゃ悪いけど暇だから来てるだけかな、来週から忙しくなるし」
「そうなの?」
「体育祭の準備来週から本格的に始まるからね。だから志崎くんも忙しくなるよ」
「そっか、そろそろ体育祭か。山下さんって運動できる方?」
「体力は全然ないけど、運動神経は良いってよく言われるかな」
「そうなのか」
「志崎くんは?」
「まあ俺はそれなりにはできるかな。運動部の奴らと張り合えるくらいは」
「へー、凄いね。何かやってるの?」
「うん、まあ毎朝ウォーキングしてたり、たまにジム行ったりとかしてる」
「そう言えば、前に先生と話してるの聞いちゃったんだけど入試の成績一番だったの?」
「そう言われたな」
「勉強も出来て運動も出来るって凄いなあ。憧れちゃう」
「まあなんか偉そうに言うけど日々の積み重ねかな」
「わたしも勉強は得意な方なんだけど、志崎くんより下だったのか……。良かったら試験近くなったら勉強教えてくれない?」
「そのくらい全然いいよ」
「ありがと。約束ね」
と、にっこり微笑んできた。すると
「なーに二人で話してるの?」
優依が声をかけてきた
「ああ、まあ色々とな」
「ふーん。そう言えば生徒会だから来週辺りから体育祭の準備始まるんだっけ?」
「そう。だから、遅くなったり行けない日とかあると思う」
「おっけー。」
「碧ちゃんも生徒会だったよね」
碧ちゃん?
「うん。だからわたしもあんま顔出せないと思う。ごめんね優依ちゃん」
優依ちゃん?
「全然気にしないでいいよ〜」
いや、君らいつの間にそんな仲良くなったんだよ。
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