12:Social Networking Service
「ごめん山下さん。待たせたね。」
「いや、全然待ってないよ。それに、わたしから行きたいって言い出したんだし、気にしないで。そう言えば御崎さんっているの?」
「うん。厨房で料理してる」
「へえ〜」
「コーヒーを飲んでるのか。味はどう?」
「普通に美味しいよ。美味しいんだけど、なんていうかこのコーヒーにしかない特徴がないって感じがする……かな」
それは思った。不味い訳ではないが普通すぎる。
「そうなんだよな〜。とは言ってもどのように味付けするかとか考えないとなんだけど…」
「じゃあ、わたしの知り合いが働いてる喫茶店来てみる?」
ほう。それも良いかもな。
「いつなら行っていいとかあるか?」
「別にこのあと時間空いてるなら今日でも全然いいけど」
「じゃあ、バイト終わったあといいか?」
「わかった」
バイトを終え、山下さんの知り合いが働いているという喫茶店に向かう。山下さんは待っててくれた。
「悪い。待たせたな」
「全然いいよ、気にしないで。」
一緒に歩いていると
「お、お前ら何やってるんだ?」
桐島先生がいた。
「まあ、ちょっと用事があって」
「そうか、もう暗いから気をつけるんだぞ」
「はーい」
店に着いた。なんか今どきの喫茶店って感じだな。意味は同じだが、喫茶店というよりカフェと言う言葉の方が似合う感じだ。
一緒に見学を終え、帰り道。
「なんか、比べ物にならないくらいお洒落というか」
「まずさ志崎くんが働いてる喫茶店って狙ってるお客さんの年齢層とかあるの?」
「そこらへんのこと全然知らないんだよね。まあ、明日聞いとくよ」
そしてなんだかあっという間に次の日が来た。
「遙香さん。この店ってどんなお客さんに来て欲しいんですか?」
「うーん、まあ若い人かな」
「じゃあ、SNSとかやってるんですか?」
「SNS?オンスタグラムみたいなやつ?」
「はい」
「やってないかな」
「絶対にやった方がいいと思うんですけど」
「そうだね、SNSくらいならすぐできるだろうから早速やってみようか」
オンスタのアカウントを作った。
「とりあえず店の様子とか撮って投稿してみたらどうですか?」
「どの辺りを写せばいいかな?」
「迷うんだったら色んな角度から取ればいいんじゃないですか?何枚か一緒に投稿できるはずなので」
「こんな感じでどうかな?」
「うん。いい感じだと思いますよ」
「じゃあ、投稿するよ」
「どうぞ」
投稿してから十分経ったくらいのところで、いいねが五個も着いていた。さらに返信も
『へー、こんなところに喫茶店あったんだ、今度行ってみよ』と来ていた。
効果がありそうだな。
ついでと言ってはあれだが、ホームページとトイッターも始めた。
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