第18話 「聖女様は、挫けない」

「クレア様……イヌッコロリンは本当に安全で怖くないですよ?」


「あ……あ……」


(あぁ……私もユウタ様をぺろぺろしたーーーーーーーい!!!!!!!!!!!!!! ……おっとついつい本音が出てしまったわ。

抑えないと、思わず声に出してしまいそうになるわ。くそ……悔しい……!! 魔物なんかに嫉妬している自分が悔しいいいいいいいいいいいいいいい。で、でも、この魔物は安全だって言ってたし……きっと

深い意味はないはず……。そうよ、そうよ。落ち着きなさい聖女クレア。

貴方は、高貴な存在であるべきなのよ。魔物ごときに嫉妬してしていてはダメ。

ダメダメ、ダメウーマン。ここは、聖女らしく、大人の対応を……)


「大丈夫っスよクレア!! うちでもペットとして飼ってるっスから!!」


「あぁ、俺もだ」


「そ、そうなのですね……えっと……淫乱魔……失礼。イヌッコロリンと言いましたか? 私が、一緒にギルドまでお供しますので、こちらへ……」


「ワンワン!!」


ガブッ!!


「痛っ!!!!!!」


「「「イヌッコロリンが人を噛んだ!?」」」


(いったああああああああああああ、い、い、い、今、

か、噛んだんだけど!! こいつ噛んだんですけど!!!!)


「あ、あれっ!? クレア様大丈夫ですか!? こ、こらイヌッコロリンこっちへおいで」


「大丈夫です……傷はありません……」


「ワンワン!!」


「良かった……」


(……でも、珍しいな……イヌッコロリンが人を噛むなんて、滅多にないはずなんだけどな……)


「えっと、僕が連れて帰りますね」


「お、お願いします……」


(もう嫌!!!!! 嫌い!!!!!!!!!!!!!)


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