第4話 「聖女様は疲れている?」

(はぁ……昨日は、ユウタ様のことばかり考えて全然、サポートがうまくいかなかったわ。

 私、このパーティのお荷物ね……)


 コンコン。


(あら、誰かしら。こんな時間に)


 ガチャ


「クレア様……すみません、こんな夜遅くに」


 バタンッ。急いで扉を閉める。


(ええええええええええ!!!!? なんで!?

 なんで私の家にユウタ様が……!? はっ!

こ、このままでは、正常な判断ができないわ! 精神統一、精神統一……!)


 ガンガンガン!

 机に頭を打ち付ける。


「ク、クレア様!? なんか凄い音してますけど大丈夫ですか!? というか、どうしてドア閉めたんですか!?」


 ガチャ


「すみませんユウタ様。家の中から何やら物音がしたような気がしましたので」


「そ、そうですか」


(やっぱり、何かおかしいな……。戦闘で

 疲れてるんだろうな……いつもみんなを癒してくれて……)


「クレア様、あのこれ良かったから飲んでください」


「こ、これは……?」


「知り合いに頼んで使って貰ったポーションです。クレア様、なんだか疲れていたようでしたから……。って、クレア様は、ご自身のスキルで回復できるからそんなに意味はないと思うんですが……あはは」


(え、えぇ!? な、なんて健気なの……!

 そ、そういうところも好き……!)


「い、いえ。ありがとうございます、ユウタ様。

 これは、大切に使わせていただきます」


「喜んでいただけたようで良かったです。では、僕はこれで」


 パタンッ。


(……このポーション飾って、家宝にしよ)

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