第9話 やっと

 〜柊人&栞side〜


 期待を胸に、指定された場所へ行くと窓側の席に考え込んでいる柊人を見つけた。

「やっぱりかっこいいな。」

 そう呟きながら見つめていると、柊人がこっちに気づいた。手を振ってここだと示してくれる。私も手を振りながら柊人の前の席へと向かった。私が席に着いたのを確認すると、柊人が口を開いた。

「何か嫌なことあっただろ。僕には言えないのか?最近辛そうだしさ。話でも聞いてあげられるかなって思ってるんだけど。」

 わざわざ心配してくれていた。私はその優しさに触れようと思えば触れられた。だがあえてそうしなかった。ここで甘えてしまえば、どこまでも甘えてしまうと思ったから。

「ううん、何もないよ。わざわざありがとね?大丈夫だから。」

 そう私が言うと、柊人は何も言わずに隣に来て私のことを抱きしめた。

「栞の大丈夫は大丈夫じゃないんだよ。何か悩みがあるなら言ってくれ。」

 私はもう限界だった。涙がこぼれ、落ちていく。

「辛いのは分かったから。もう全部出しちまえよ。」

 栞は子供のように泣きじゃくった。柊人は私が落ち着くまでずっと頭をなで続けてくれた。

「よし、落ち着いたか?」

 私に問いかけてくる。

「うん、もう本当に大丈夫だよ。」

 結局甘えてしまった。優しさに、触れてしまった。やっぱり私は柊人が好きだ。

「ねぇ柊人。急でごめん。私、柊人が好き。やっぱり付き合って欲しい。私はもう柊人じゃなきゃやだ。」

 柊人が答える。

「あぁ。俺も栞のことが好きだ。俺と付き合って欲しい。」

「やっぱそうだよね。振られ、、、え!?本当に!?」

「僕も栞のことが好きだ。栞のことを守りたい。泣かせたくない。ずっと前から好きという気持ちはあったけど気付かないふりをしてた。結局は僕も栞のこと大好きだった。でも僕が素直にならなかったからそのせいで傷つけたりもしたよな。でもこれからは幸せにするから、こんな僕でいいならよろしく。」

 やっと想いが繋がった瞬間だった。栞は思わずまた泣いてしまった。

「ごめん、また泣かせちゃったな。さっき言ったばかりなのに。」

「ううん、大丈夫。嬉しくて泣いただけだから。これからよろしくね?」

「おう!こちらこそよろしく!」

 こうして2人はトラブルもあったものの、付き合えたのである。めでたし、めでたし!







 ※ここまで読んだくださり、誠にありがとうございます!そしてこのまま終わりません!

 付き合ったあと2人はどうなるのか。それだけでなく過去の栞の友達の、あの女の子との関係も書いたりします!

 もしかすると真子と広大のなりそめなどについても書いたりするかも!これからもよろしくお願いします!!

(時々投稿が遅れる場合がございます。気にしないでください笑笑)ではまた2人が付き合ったあとの話でお会いしましょう。では!

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