第2話 Aちゃんの朝

目を覚ますと、体が痛い。

昨日、ベッドで寝ようと思いながらもこたつで寝てしまったからだ。

時計の針は午前11時を指している。

休日なのに午前中のうちに起きるなんて私天才だと思う。

なんとかこたつから脱出し、カーテンをあける。

日差しが入り込んできてなんとも気持ちのいい朝…と言いたいところだが、可もなく不可もないような空模様。

朝シャンをして、ホットコーヒーを淹れて、今日の計画を立てる。

今日は特に予定はないし、かと言って外は寒いから出掛けたくないし、大学の課題をやるのは気分が乗らないし、本を読むのは集中できないし…。

迷った末、アコギを弾いて気分を上げてから出掛けることにした。

「冬ソング コード」で検索し、目ぼしいものを何曲か弾き語り、朝からこの世に存在する数々の名曲に思いを馳せ、音楽があるからこの世は素晴らしいんだよなあとしみじみ思ったりする。


お出かけ先は近所の行きつけの喫茶店。

ドアのチャイムの音やレトロ調の間接照明、カウンターに並べられたサイフォン、ふかふかのソファがお気に入り。

たまごサンドとブラジルコーヒーを頼み、鞄から手帳とペンを取り出す。

私の宝物の手帳。

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