きっと忘れない

@tnk-com

第1話

僕が中学2年生の時。

いつものように部活をゆるく楽しんでいた。僕はソフトテニス部に所属していたが人数が多いので、僕のグループは駐輪場での練習だった。そこで事故が起こった。

ボールを駐輪場の屋根にのせてしまったのだ。ただ取れない高さではなく、何人のも仲間が屋根に登ってボールを取っているのを見ていた僕は、余裕だろうと思っていた。それは自分の運動音痴さを甘く見ていた。

登るまでは余裕だった。屋根は2mちょっとの高さ程だったが簡単に登ることが出来た。問題は降りる時だ。登る時に使った足場に足が届かなかった。手だけで体を支えている状態で中学生が長続きするはずがなかった。唐突に風が吹き、僕の体を揺らす。振り子のように揺れていたのが段々と大きくなり、手に負えなくなっていた。そこで体操選手のように綺麗に着地出来ればどれだけかっこよかっただろうか。その頃の僕にはそんな余裕はなかった。

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