遺書

かわら なお

 

どうでいい日常だった

でも私の全てだった


失うものは何もなかった

でも失うものだらけだった


得るものは何もなかった

無くすものだけが増えていった


何もない日常は私から何かを奪っていった


泣くことはなくても

笑うことはなくても

生きる意味がなくても

必要とされなくても

生きていいと言われなくても

死ぬなと引き止められなくても

何も変わらなくても


息をしていた


苦しいことも

笑えないことも

泣きたいことも

嫌になることも

壊したいことも

殺したいことも

あったけど息をして


生きる意味が欲しくて必死にもがいて

掴めなくて

苦しくて

息ができなくて

ぼんやりする頭の中で

生きてもいいとただ誰かに言われたかったと切に願った

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遺書 かわら なお @21115

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