武侠小説×異世界転移×悪役令嬢の欲張りセットである本作は、そりゃあもう読み応えバツグンである。
豪華絢爛な満漢全席の如く、読めども読めども魅力的な物語が次から次に溢れ出す。それでいて、クドさやしつこさは全く無く、もっともっとと目を進めてしまうのだから、この作品がどれだけ丁寧かつ繊細に彩られているかが窺える。
中華ファンタジーである本作は、初めこそ少々人物名や地名が読み難いかもしれない。
しかし、作者様が本当に丁寧にルビを振っておられるし、何より読めば読むほど気にならなくなる!
また、作中に登場する作中作もまた良い味を出している!『白雪小哥妹』のお話などは、それだけで立派な一つの作品になる程だ!
いつしかこの世界に没頭してしまう、そんな魅力溢れる本作を、どうかご賞味あれ――。