第一章 エピローグ

「あぁ、あぁぁぁぁ…。」

「ちょっとあんた!何とか無事か確認してきなさいよ!」

「できるけどな…。んーまぁ、いいよ。」

「助かるわ。」

「名前でも呼んでくれよぅ。」

「言ったでしょ?貴方みたいな殿方、私一番嫌いなの。」

「つれないなぁ。」


しばらくすると、アレスタボロボロの谷崎を抱えて戻ってきた。


「どうだった…?」

「…敦君を呼んできてくれ。」


「はい。なんでしょうか。」

敦の顔は、この数時間でひどくやつれていた。

「…君、本当に大丈夫かい?」

「っ…。はい。大丈夫です。」

「そうかぁい。なら、続けるよ。」


「君の所には、与謝野晶子という人物がいたね?」

「えぇ。」

「その人に診せれば、多分復活する。」

「よ、よかった…。」

「僕はこのまま王都に残るけど、どうする?」

「もちろん、与謝野先生に診せに行きます。」

「なら、僕の隠れ家に谷崎君を任せてくれないか?一人、頼れる人物がいてね。」

「…わかりました。」

敦は一瞬の葛藤の後、アレスタへの信頼を選び、任せることにした。

「話が早くて助かる。そして、この話、受け取った。僕の命と引き換えにでも、

 彼だけは必ず守るよ。」

「はい。」


その日は近くの森で野宿をした後、アレスタが世界中を旅していた時の用意を

そのまま貰うことになった。


「こんなに…。いいの?」

「いいんだよぉ。」

「その話し方、止めたほうがいいわよ。きもいから。」

「モ、モンゴメリちゃん!」

「あ…。あ、敦が止めてっていうなら、止めるわ。」

「?そ、そっかぁ。モンゴメリちゃんは素直だね。」

「でしょ?お礼に、頭撫でて欲しいわ!」

「どうしてそうなった?」

「んもぅ、敦は乙女心が解ってないわね。」

(こ、これが乙女心…。難しい。)

敦が少しずれた考えを巡らせていると、

「はいはーい。また旅の途中で何時でもイチャイチャできるんだし、

 もう今はいいでしょ!」

「ちょ、そういう事言わないでよ!私結構勇気出したのよ!?」

みるみる顔が赤くなるモンゴメリ。

「あはは。ま、いいや。いってらっしゃい。」

「ありがとうございました。」

「また来るわ!」


「…行ったか。さて、次の手がかりを見つけなければ。」

男は微笑む。

「今回は良い収穫だった。あれは使えそうだね。」


「_来る日、マーロン王国壊滅阻止戦に向けて。」


______________________________________

やったぁ!1章完結だ!

ここまで書けたのは、すべて今見てくださっている皆様のおかげです。

物語の方は、次の場所へと移っていきます。

最後にアレスタがとんでもない事を言っていましたが、一体どうなってしまうのでしょうか。お楽しみに!

感想などいただけましたら、一日一万回感謝の重力操作を忘れません。

それでは!

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