第2話 「或る人」

あぁ、よく寝た…。

昨日の疲れが嘘のように消えてしまっている。隣をむくと、

モンゴメリちゃんが気持ちよさそうに眠っている。

平和だなぁ…。

こんな状況じゃなければなぁ…。

鏡花ちゃんがいればなぁ…。

でも、現実から目をそらしている時間はあまりない。

「おーい!起きてー!」

「う……。!?お、おは、よう…。」

「?」

「い、いや!何もないわ!気にしないで!」

「そ、そっか…。じゃ、まずは食べ物から探そっか。」

「えぇ、そうよね…///」

「?」

「も、もう行くわよ!」

「ゴフゥ!」

何故だか思いっきり腹パンされた。

えぇ…?


(は、恥ずかしすぎて死にそうだったぁ…。)

モンゴメリは乙女である。


その日は、何とかレストランの外にあった食材置き場から、新鮮な日の丸弁当を

2つ発掘した。

「なんか、ネズミになった気分ね。」

「そうだね。なんか、気が引けてくるなぁ…」

「いまさら何いってんのよ。」

「ネズミ……頭目……ウッアタマガ」

「わ、悪かったわよ…。」

「あ、いや、イイんだ!別に!」

「う、うん…。うん?」

「? どうしたの?」

「あそこ、誰かいない?」

モンゴメリが指を指したその先にいたのは…

中年のおっさんだった。

「ほォ。君たち、僕が見えるのかい?」

「見えるも何も、そこにいるじゃない。」

「それがね、違うんだよ。それとね、一つ聞きたいことがあるぅんだけど、こんな

 初対面の中年に見えるおっさん?の話を聞いてもらえるかな?」

見るからに怪しさ満点だ、と敦は思った。

「じゃ、じゃあ…お願いします。」

「!?敦!こんな奴にかまってると、痛い目見るわよ!。」

「しょうがないよ。それに、もう僕たちには選択肢なんてないだろ?」

「それは…。」

「話し合いは、済んだかぁい?」

「えぇ。お願いします。」

「そうかい。それじゃあ話すね。」

「あ、ちょっと待ってください。」

「ん?」

敦がモンゴメリの耳に顔を近づけると、ぽしょっと一言。

「何かあったら、君だけは命を懸けて守るよ。約束する。だから、安心して?」

「ッッーー!馬鹿言ってんじゃないわよ!自分の身くらい、自分で守れるわよ!」

「グフゥ!」

羞恥も混じった強烈な腹パンが、敦を襲う。

「ハハハハッ!面白いなぁ、君たち。」

「面白くないわ!さっさとお話しなさい!」

「うぅ…なんで殴られたんンだろう?」

「フフッ。わかった。では、改めて話すね。」


「僕は、君たちと同じ、日本から来た異世界人だ。」


______________________________________

さぁ、オリキャラが出てきましたね。

この先、この人はいろんなところで関係してきます(予定)。

ご期待ください。

誤字、脱字などありましたら、教えていただけると幸いです。

「こんな風にしたほうがいいんじゃね?」とかもご指導してくださったなら、

毎日一万回感謝の心中を忘れません。

それでは!

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