第一章 王国脱出編

第1話 「人生万事塞翁が虎とはよくいったものだ」

「「はぁ…はぁ」」

二人して息を切らしながら、何とか路地裏に逃げ込んだ。



「それはそれとして、ここはどこなのよ?」

少し息が整ってきたところで、モンゴメリちゃんが聞いてきた。

「うーん…。」

二人して考え込んでしまった。

「とりあえず、ここが横浜ではないことははっきりしてるね。」

横浜。魔都とまで呼ばれるその場所に、あんな豪勢な城などなかったはずだ。

「そうよね…。誰かしらの異能ってことはないの?」

「その線はあると思う。それと、モンゴメリちゃんは気づいてる?」

「え?何のこと?」

「異能が使えないんだ。」

それを聞いて、モンゴメリは絶句した。

「じゃ、じゃあ、これからどうやって生きていけばいいのよ…。」

「そうだね。まずは、落ち着いて身を休めれる場所が欲しいけど…。」

そういって、敦は道ゆく人たちにどこかに宿はないかと聞き始めた。


それから2時間後。どこにいっても、無一文の人など入れてもらえず、2人は困り果てていた。とりあえず、と言わんばかりに、2人は身を寄せ合うようにして橋の下で

休んでいた。


:モンゴメリ視点:

やばい。すごくドキドキする。

ここまで心臓の動きが早まっているのは、あの船の一件以来かもしれない。

「とりあえず、今の状況を整理しようか。」

「う、うん。」

そのやさしい声に、私はどうしようもなく安心してしまう。

今、こんなところで2人でいるところを見られたら、あの小っちゃくて可愛らしい

女の子はなんていうかな。

あぁ、こんな時間が、ずっと続けばいいのに。

「おーい、聞いてる?」

「え、えぇ。」

「ならよかった。もう一度説明するけど、イイかな?」

「いいわよ。」

「僕たちは今、どこか知らない場所へきている。家の外見などから見て、

 少なくとも日本じゃない場所へ。それと、現時点では異能が使えないってこと。

 今最優先すべきことは、どこか休める場所を探すことだけど、

 異能が復活するかどうかも並行して探していこう。」

「そうね…。今日はまだ耐えれるけど、明日はどうなってるかもわからないし、

 ほかの探偵社の方たちの安否も気になるわね。」

「確かに。太宰さんとか、国木田さんとかとは合流したいね。」

「とりあえず今日は寝ましょ?明日も早いだろうから。」

「あぁ、そうだね。じゃあ、お休み。」

「うん、お休み。」


人生万事塞翁が馬。

今日一日だけでとても信じられないことが連続で起きたけど、

何故だか、うまくいく気がする。

明日も、頑張ろう。


______________________________________

はい、お待たせしました。

いや、お待たせしすぎたかもしれません。

これから2人はどうなってしまうのか。

作者はいつになったらうまく書けるようになるのか。

そもそもこの話を終わらせれるのか。

期待しない程度に期待しといてください(?)。

あとこれ聞きたいんすけど、モンゴメリちゃんのしゃべり方にいまだに迷ってます。

なんかいい方法あったら、感想などに書いていただけたら、

一日1万回感謝の羅生門を忘れません。

お待ちしております。

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