異世界裁判長~転生したら裁判長になってて裁判が始まっていた件~

@kitchen777

第1話 転生したら裁判長

時は小学校時代、クラスのマドンナのさやかちゃんのリコーダーにパンを詰めた罪で学級裁判が行われた。裁判長はクラスのリーダー気取りが行い、被疑者は当然俺だった。正直全く関係なかったのに、だれも弁護してくれる人はいなく、容疑者に仕立てられた俺は干されて、変態のレッテルを張られた。


月日がたち心不全で倒れたはずのおれはなぜか今、神様に話しかけられていた。

「すまんのう、わしの部下が間違えてお主を転生さしてしもうたわい、お詫びに何のでも言うことを聞こう。」

となにやら言うことを聞いてくれるらしいので

「裁判長になりたい! 」と即答した。

小学生の頃は容疑者ばっかだったけど、一度は裁判長やってみたかったんだよな。

「よかろう」と神様は承諾してくれた。


こうして裁判長になりました。


意識が覚醒すると、俺はザ・裁判長みたいな服を着ていて、目の前にはバツの悪そうなゴブリンっぽいのがたっていて、その他には役人っぽいのと傍聴人みたいなのがいっぱいいた。全員見たこともない姿形で、異世界を実感した。


ラッパがなって裁判が始まったらしい。役人っぽいのが全員座ったのでとりあえず、俺も座ることにした。だれもマニュアルとかくれなかったので何もかも分からないでいると、ゴブリンっぽいのが話し始めた。

どうやら彼は今回の被疑者らしい。なんでか親近感がわいた。しかし大変必死に話していたが、正直言葉は一文字たりとも理解できなかったので適当に頷いていたら、ゴブリンっぽいのは涙を流して座り込んだ。どうやら彼の供述は終わったらしい。

次は役人の番だ。これもなに言ってるが分からないが、証拠っぽいものを出してきた。

出されたものはゴブリン君の詳細な似顔絵で、正直これは証拠としては扱えないだろう。と思うも、やはりよく分からないので、適当に「ふ~ん、、」と言ってみると、ゴブリン君は震えて、役人たちはドヤァと言わんばかりの顔をしていた。

全くなにも理解してないまま、再びラッパがなり、そこにいる一同がこちらを見てきた。ゴブリン君には親近感がわいたし、証拠もろくなものがなかったので、仕方なく勇気を振り絞って


「むじつ」


と日本語でつたえると、ゴブリン君はこの世のものとは思えないほどの叫び声を上げて、役人に連れてかれた。

「ギュヘェー」 「ぎゃゃゃ」 と、とてつもない叫び声が聞こえてくる。どこの生き物もやはりこういうときは叫ぶらしい。ゴブリン君、ごめんね。てか、むざいっていったいどんな意味なの?

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