第4話

いや待て、オレたちは迷宮調査に来たんだよな

で目の前の上級魔族がどう考えても主だよななんでこーなってんだ!?


「剣まほやん!今めっちゃ入手困難の!!」


ああ、そういやニコも欲しがってたなあのルールブック。

人気すぎて手に入らないって嘆いてたっけか……


「フフフ……私には独自ルートがあるのだよ。」


そこ自慢するところなのか!?


「うわあ、わたしめっちゃ欲しかってん!つか遊びたかってん!!羨ましい〜!」


「そうだろうそうだろう!さあ今から遊ぼうではないか!」


「え!いいのん!?」


「勿論だ。独りでは遊べんからな。」


何処か遠い目をしているのは……いや。まさかとは思うけどひょっとして……


「あの、ロゼ……さん」


「何だ人の子よ……ああ、シンだったな。」


まさかとは思うが、念のためだ。念のため。


「TRPG仲間が欲しくって、迷宮作ったりしましたか?」


「え、うん。」


「こ……構造が変わるというのは……」


「私、迷宮管理人の才能ないみたいで、けっこー作り直してたからな……」


ぐあああちょっと照れるなああぁぁ!!なんだこの阿呆な展開!?

オレたちの緊張と、道中の魔物の命を何だと思ってんだこの上級魔族は!?

なんかもう、色々返せ!


独りうわああぁぁってなってるオレをそっちのけで、ニコとロゼはいつの間にかテーブルに座っている。

もう訳わからん。


「シンー。2人やと面白くないから、早よ座って参加してや。」


「いや和むなよお前!?」


「先ずはキャラクターの作成からだな。うむ、ダイスを振るか!」


「いやあのねお前らな!」



……結局、オレたちはこの変わった上級魔族ロゼと、3回ほどTRPGをすることになってしまった。

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