第5話 高校受験の話①

 そんな地元に嫌気がさし、高校受験を控えた私は、

 どの高校を受験するか迷った。

 同級生のほとんどは自転車で通える近場の高校を受験した。

 私の場合、そこそこの成績でそこそこの内申点だったので、

 それなりに選択肢はあったが、

 県内の国立大へその年、最も合格者を輩出したという公立高校を受験することにした。わざわざそこを選んだ理由は、なんとなく格好が良いように思えたからである。


 当時、学習塾に通っていた。

 試験6か月前の模試の結果について、塾の講師から面談があった。


「模試の結果は、正直悪かった。でもまだ半年あるし、どうする?」

 塾の講師である小橋先生は言った。つまり、違う高校も選択肢に入れておけというのだ。


「もう少し待ってください。来月の模試の結果で、もう一度判断します。」

 こう答えながら、内心、かなり焦っていた。

 直近の中学の学年テストでも過去最高の順位で、安心しきっていたからでもある。


「わかった。内申点は国数社理英の5教科が見られる。君の場合は5段階評価でオール4だから、そこまで心配してない。あとは、点数をどれだけあげられるかだ。」



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