13. 今夜はまぜごはん。

 清村くんのお店のサイトを見てばかりいたスマホを覗かれた。今夜はまぜごはん。私は具を炒めながら清村くんのサイトの中のキャストの日記コーナーを読んでいた。清村くんが登場しないかと思って毎日チェックするのが日課になっていた。清村くんはほとんど登場しない。だが、いまの清村くんの周りにいる子がどんな人たちなのかがわかる気がしてなんとなく、良いのだ。それで右手で木べら、左手でスマホ、親指でスクロールしていつものように晩御飯を作っていた。ちょうどよく炒め終わったので台所の脇にスマホを置いて、ごはんに具を流し込もうとしているときに夫がやって来て、台所の水道で手を洗うときに私の開きっぱなしのスマホ画面を覗かれた。清村くんのサイトのギラギラしたキャストのページだ。アイドルかなにかだと勘違いしてくれていれば良いが…。夫がそういうお店の女の子のブログを読んだことがあれば、ピンとくるかもしれない…が、こなければいいなと思った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

初恋(仮) 庭玉鳥子 @tomatoponyori

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ