38. 風邪2

「みぃ、起きれる?」


「…ん」


「体調どう?」


「だいじょうぶ。今何時?」


ほくに起こされた。すごく眠たい。


「4時。」


「え?」


「学校行く?」


「行くけど、早過ぎでしょ。」


「映像みて、もう一回寝てから行った方がよくない?」


「確かに…。」


昨日は体調が悪過ぎて映像が見れなかった。もう、体調は良くなったみたい。


「みぃ、落ち着いた?」


「うん…。」


映像をみた。今日もなんともないみたい。良かった。


「ありがとね。」


「うん。」


「学校行けそう?」


「うーん。分かんない。」


「とりあえず、まだ時間あるし寝よっか。」


「うん。…ほく、」


「ん?」


「今日もエッチできないかも。」


「大丈夫だよ。今日もしないよ。」


「うん。」


ほくの膝の上に乗り、向かい合うとほくがぎゅーしてくれる。頭がすごく痛いし、体が重いけど、このまま寝ちゃいそう。


「ほくとエッチしたいな。」


「体調良くなったらね。」


「うん。」


「みぃ、変態さんだね。笑」


「え?なんで?」


「性欲が強いから?笑」


「そうなの?みぃ強いの?」


「…みぃは、強くないね。笑」


「なんだ。笑」


「なんでそんなにエッチしたいの?」


「ほくと1番近い距離になれるから。」


「…あー、やばいシたくなる。」


ほくと1番近くなれるあの時間がすごく幸せだな。


「ほく、体調よくなったらみぃとエッチしてくれる?」


「もちろん。」


「やったぁ。」


「あんま煽んないで…」


はやく体調良くなって欲しいな。


「みぃ、もう寝なよ。」


「うん。」


いつものようにほくにトントンしてもらって寝る。


「みぃ、そろそろ起きて。」


「…ねむい。」


「頭痛い?」


「いたい。」


「学校休む?」


「…いく。」


「行くの?」


「だって、みぃが休んだらほくも休むでしょ。」


「うん。」


「いく。」


「分かった。無理だったらまじで隠さず言ってね?」


「うん。」


朝起きたら、まだ頭も痛くて身体がだるかった。


「2人ともおはよう。美蘭体調どう?」


「昨日よりはよくなったかな。」


「そう?でも、顔色少し悪いね…。学校は行くの?」


「行くよ。」


「そっか。体調悪くなったら連絡してね。迎え行くから。」


「はーい。麻美ちゃんありがとう。」


朝ごはんもあまり食べられなかった。今日、体育なくて良かった。


『いってきます。』


「いってらっしゃーい!」


寝不足もあってすごく辛い。


「ほくだけ学校行けばいいのに。」


「みぃ、俺いないと寝れないでしょ。」


「そうだけど…。」


ほくがトントンしてくれないと寝れない…。


「みぃ、おんぶしてあげようか?」


「やだ。」


「えー。いいじゃん。」


「やだ、こんな道路の真ん中で。」


「でも、歩くのキツいでしょ。」


「大丈夫。」


歩くのはキツイけど、おんぶされながら登校なんで恥ずかしすぎる。


「みぃ、ホームルームまでまだ時間あるから保健室いく?」


「行く。」


「行こっか。」


学校に着き、保健室に行く。


「おはようございます。」


「あら、北斗くんと美蘭ちゃん。どうした?体調悪い?」


「美蘭が悪くて。ちょっとベッド借りてもいいですか?」


「そっか。いいよ。美蘭ちゃん、熱あるの?」


「熱はないです。頭が痛いのと少しフラフラするみたいです。」


「そうなんだ。じゃあ、少し横になろっか。」


保健室のベッドに寝転がる。


「ほく、もう帰りたい。」


「帰る?」


「…帰らないけど。しんどい。」


「とりあえず、寝よっか。」


「…うん。」


ほくがベッドの近くの椅子に座って、手を握ってくれる。


「おやすみ。」


とんとんされながら寝る。



「美蘭ちゃん寝た?」


「はい、寝ました。」


「朝から体調悪かったの?」


「そうです。」


「学校は休めなかったの?」


「はい。美蘭が行くって聞かなくて。」


「何か理由があるの?」


「美蘭が休むなら俺も休むんで、それが嫌みたいです。」


「美蘭ちゃんだけ休めないの?」


「はい。美蘭、俺がいないと寝れなくて。」


「そうなんだ…。美蘭ちゃん、北斗くんがいなくなったら、どうするんだろう…。」


「俺がずっと一緒にいるんで大丈夫だと思います。」


「それなら、安心ね。笑」


今、寝て少しでも美蘭の体調が良くなってればいいけど…。


「北斗くんは、彼女いないの?」


「いないです。」


「そうなんだ。かっこいいのに。美蘭ちゃんとは、付き合ってないんでしょ。」


「付き合ってないです。」


「美蘭ちゃんいると、彼女作れないかぁ。」


「まぁ、そうですね。」


「じゃあ、セフレとか?」


「は?」


「あ、ごめんごめん。冗談よ。笑」


前から思ってたけど、この先生なんか嫌い。


「そろそろ、美蘭ちゃん起こさないとね。」


「あ、はい。」



「美蘭、起きて。」


「んー。」


「起きれる?」


「起きれない。」


ほくが起こしてくれたけど、なかなか起き上がれない。


「もう、帰る?」


「帰らない。」


「じゃあそろそろ起きよっか。」


ほくが身体を起こしてくれる。体調全然良くなってないな…。


「先生、ありがとうございました。」


「また、いつでも来てね!」


「はい!」


保健室を出て、教室に向かう。


「みぃ、無理していかなくていいのに。」


「皆んなに付き合ってるって疑われたくない。」


「大丈夫でしょ。」


「やだ。嫌われたくない。」


「分かった分かった。」


ほくが頭を撫でてくれる。頑張れそうな気がする。


「美蘭、おはようー!」


「おはよう。」


「どうした?体調悪い?」


「うん…。」


「そっか、頑張って来たね。」


「うん。ありがとう。」


結衣が体調悪いことにすぐ気がついて、気にかけてくれた。


「では、授業おわります。」


『ありがとうございました。』


4限が終わった。なんとか午前の授業を受けることができた。


「美蘭、保健室行こ。」


「うん…。」


「結衣と寛太には言っといた。」


「ありがとう。」


ほくと一緒に再び保健室に向かう。


「あら、また来ちゃった?」


「すみません。体調良くならなくて…。」


「そっか。入って入って。私、昼休みは職員室にいるからなんかあったら呼んでね。」


「はい、ありがとうございます。」


保健の先生は職員室へ行った。


「みぃ、昼ごはん食べれそう?」


「食べれない。」


「そっか。じゃあ、寝よっか。」


「…うん。」


「どうした?」


「ほく、ぎゅーして。」


「ん。」


ほくのハグに安心して、涙が止まらなくなる。


「ほく、帰りたい。」


「帰りたいね。あと2時間授業受けたら帰ろ。」


「今帰りたい。」


「今は、帰らないで寝ようよ。」


「やだ。」


「頑張れたらちゅーしてあげる。」


「何回?」


「何回でも。」


「…じゃあ寝る。」


「美蘭ちゃん、いい子だね!いっぱいちゅーしてあげる。エッチもする?」


「学校で聞かないでよ。」


「しよっかー!早く治さないとね!」


「うるさい。」


「はい、寝よ。」


「はぁい。」


寝たら少し良くなってるといいな。


「ほくも寝ようよ。」


「え、俺?」


「うん。ぎゅーしてベッドの上で一緒に寝たい。」


「かわいい。」


「だめ?」


「いいよ。寝よっか。」


「うん!」


ほくがぎゅーして、一緒に寝てくれる。

まぶたがどんどん閉じられる。



(結衣side)


「あれ、昼休みって保健の先生いないの?」


「あ、そうなんだ。北斗と美蘭はいる?」


「ベッドかな?」


寛太と一緒に美蘭の様子を見に来た。保健の先生はいないみたい。


「あ、いた。」


「北斗も寝ちゃってる。しかも、抱き合ってるよ…。」


「だね。笑」


「写真撮っとくか。笑」


「いいね!笑」


寛太がベッドで寝ている北斗と美蘭の写真を撮る。2人、すごくお似合い。


「おーい、そろそろ起きろー。」



「ん。」


ほくではない誰かに起こされた。


「寛太?」


「お、美蘭起きた。」


「結衣も、どうしたの?」


「様子見にきたよ。どう?」


「んー。ちょっと良くなったかなぁ。」


「良かった。」


ベッドの上で身体を起こすと若干体調が良くなっている気がした。


「北斗起きないじゃん。笑」


「本当だ。ほくもあんまり寝れてないんだよね。」


「あ、そうなの?」


「うん…。」


ほくが少し動いて、私の腰に抱きついてくる。


「動いたけど、起きないね。笑」


「うん。笑」


「なんか、北斗子供みたい。笑」


「だね。笑」


珍しくなかなかほくが起きない。


「ほく、起きて。」


「んー。」


今日、早く起こしてくれたし疲れてるよね。


「ほくー。」


「んー。」


「北斗、全然起きないじゃん。笑」


「どうしよう。ほく、起きて!」


「ん、おきた。」


「ちょっと、」


起き上がったはいいけど、そのまま私の胸あたりに顔を埋めてハグをしてくる。結衣と寛太いるのに。


「ほく、もう行くよ。」


「んー。」


さっきよりキツくハグされる。ほくの頭を撫でると嬉しそうにしている。


「北斗が甘えてるとこ初めて見た…。」


「俺も…。」


「は…?」


結衣と寛太がいることに気が付いたほくは、フリーズしてた。


「おもしろすぎる。笑」


「お前らなんでいんの?」


「美蘭の様子見に来た。」


「見た?」


「見た。」


ほくの耳がすごく赤い。笑


「北斗可愛かったぞ!笑」


「やめろ。」


「子供みたいだったね。笑」


「消えたい…。」


「ほく、まずハグするのやめなよ。笑」


今もずっとハグしたままのほく。やめないの?笑


「お前ら、次の授業サボるぞ。」


「は?」


「どうせ出ても聞いてないだろ。」


「まぁ、そうだけど。」


「今のことバラされないように俺が監視する。」


「なにそれ。笑 バラしても想像つかなすぎてみんな信じてくれなさそう。笑」


「サボるぞ。美蘭の体調も良くないし。」


「まぁ、そうだね。4人でサボれば怖くない!」


なんか、みんなで授業をサボることになってしまった。


「みんな、いいの?」


「うん。次数学でしょ?出ても何言ってるかわかんないもん。」


「ありがとう。笑」


「うれしいー!授業サボれる!」


案外みんなノリ気だった。ありがとう。


「俺、弁当食べていい?」


「いいぞー。笑」


「寛太、ニヤニヤすんな。」


「えー?してないよー。笑」


「してるだろ。」


「まぁ、北斗が可愛いかったなって思って。笑」


「気持ち悪い。」


ほくは、すごく恥ずかしそう。笑


「お前も結衣に甘えるだろどうせ。」


「俺は甘えてない。」


「嘘だ。結衣、甘えてるだろ?」


「まぁ、甘えてるね。笑」


「おい!!!結衣!!」


「ほらな。男は甘える生き物なんだよ。」


「なにそれ。笑 寛太が甘えてるのも想像できない。笑」


「意外でしょ。笑」


「うん。笑」


みんなで話しているとあっという間に時間が過ぎてしまった。


「あれ、なんか増えてる。」


保健の先生が帰ってきた。


「あ、おじゃましてます。」


「授業中だよね?笑」


「そうです。ちょっと、頭痛くて。」


「めちゃくちゃ元気そうじゃない。笑」


「すみません。笑」


「まぁ、もう授業休んじゃったのは仕方ないから、静かに休んでてね。笑」


「はい、ありがとうございます。」


保健の先生、意外とゆるかった。よかった。


「そろそろ、教室戻るかー。」


「そうだね。」


チャイムがなり、5限が終わった。

あと1限だけ頑張ろう。


「みぃ、頑張ろうね。」


「うん。ほくありがとう。」


なんとかあと1限受けれそう。


「美蘭ちゃん達、どうしたの??笑」


「サボってた。笑」


「また?笑 本当に4人仲良いね。笑」

「次からは、ちゃんと出ないと…。笑」


理沙ちゃんに、5限のことを聞かれた。4人いなかったら、もうサボりってバレちゃうよね…。 


「じゃあここまで。終わります。」


『ありがとうございました。』


授業が終わった。しんどい。帰りたい。


「美蘭っ!!」


立ち上がると、急にめまいがして床に倒れてしまった。ほくに名前を呼ばれた気がする。


「ん…。」


「美蘭!目覚めた?」


「ほく…?」


目が覚めると保健室にいた。


「美蘭、倒れたんだよ。」


「え、そうなの?」


「ごめん、無理やり授業出させて。」


「いや、みぃが出るって言ったんだよ。」


「ごめん。」


ハグされた。倒れたことすごく気にしてるみたい。


「みぃ、これからは一緒に休も。何言われても俺が守るから。」


「でも…。」


「お願い。もう、倒れてるとこ見たくない。」


「分かった。」


ほくが泣きそうな声で言ってくるから、断れなくなってしまった。


「母さんが迎えきてくれるから、車で帰ろ。」


「うん。ほくごめんね。心配かけて。」


「うん。なんともなくて良かった。」


「ありがとう。」


この日は、夜ご飯やお風呂をすぐに済ませて、早い時間にベッドに入った。


「映像、今日みようかな…。」


「見れる?」


「うん。」


頑張って映像を見ることにした。


「落ち着いた?」


「うん。」


体調が悪いからいつもより落ち着くのに時間がかかった。すごく苦しかった。


「ほく、ちゅーして。」


「うん。」


ほくがキスしてくれる。


「軽いのじゃやだ。」


「みぃ、体調良くないでしょ。」


「約束したもん。いっぱいちゅーするって。」


「軽いのでもいいでしょ。」


「やだ。」


「じゃあ、一回だけね。」


ほくが深いキスをしてくれた。


「はぁっ。」


「苦しいでしょ。もう寝よ。」


「苦しくないもん。」


「はいはい。じゃあ、明日もっとちゅーしようね、美蘭ちゃん?」


「…うん。」


「今日がよかった?笑」


「うん…。」


「ダメ。今日我慢したら、明日いっぱいしてあげる。分かった?」


「…分かった。」


「うん。じゃあ寝るよ。」


「うん。」


「おやすみ。」


「おやすみ。」


明日は体調良くなってるといいな。

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