39. 水泳

「みぃ、起きて。」


「んー。…おはよう。」


「おはよう。体調は?」


「んー、元気だよ。」


「よかった。」


体調不良が続いていたけど、やっと回復した。


「ほく、ねむいよー。」


「起きて。朝ごはん食べよ。」


「あと1時間ぎゅーしてくれたらいいよ。」


「遅刻するから。」


「休もう!」


「だめ。」


「だって学校行ったら、寛太と結衣に昨日のこと色々言われるかもよ?」


「昨日のこと?」


「ほくがみぃに甘えてたこと。笑」


「…。」


「かわいい。笑」


「まじで恥ずかしい。」


「可愛かったのに。」


また、ほくの耳が赤くなっている。可愛い。


「ねぇ、俺が甘えるのやだ?」


「嫌じゃないよ。」


「ほんと?」


「うん。好きだよ。」


「よかった。」


そう言ってまた甘えてくる。可愛すぎる。


「ほくー、そろそろ行かないと。」


「んー。あとちょっと。」


「もう、さっきと立場逆転してる。笑」


「みぃ、今日エッチしよ。」


「うん。いいよ。」


「やったぁ。おれ学校がんばる。」


「うん。偉い偉い。」


ほくの頭を撫でると嬉しそうに笑っている。


『いってきます。』


「いってらっしゃーい!」


急いで支度を済ませ、家を出る。


「おはようございます。」


『おはようございます。』


朝のホームルームが始まった。


「文化祭が終わってまだ少ししか経ってないけど、2週間とちょっとしたら期末テストがあるから勉強しとけよー。」


期末テスト忘れてた…。勉強しなきゃ。


「美蘭ー、テストやばいよー。」


「美蘭もやばい。数学全然わかんない…。」


「もう、北斗に教えてもらおう…!」


「そうだね。笑 勉強会開こう!」


「いいね。そうしよ。」


結衣と一緒にほくにいっぱい教えてもらおう。この前、数学の授業出れなかったし…。


「美蘭、次体育だから着替えに行こう。」


「うん!」


結衣と更衣室に行く。


「今日体育バスケだってー!」


「え!そうなの?やったー!」


「美蘭バスケ得意だよね。」


「うん!好き!」


バスケ楽しみだな。


「はい、じゃあ今日はとりあえず試合やってみるかー!」


授業が始まり、さっそく試合をすることに。男の子も反対側のコートでバスケをしている。ほくが見える。


「やばい、北斗くんかっこいい…。」


「カッコ良すぎる…。」


「カッコよくて運動もできるなんて、すごすぎ。」


「頭もいいしね…。」


「何ができないんだろう?笑」


女の子達の声に少しモヤモヤしてしまう。でも、ほく本当にカッコいい。



(北斗side)


自分たちのグループの試合が終わり、反対側のコートを見るとみぃが試合をしてた。


「美蘭ちゃん、バスケめっちゃうまいな。」


「それね。てかまず、可愛すぎる。」


「マジで可愛いよな。」


「スタイル良すぎる。おっぱいデカ…。」


「あの大きさ最高すぎるだろ。」


「うわぁ。完璧だな。」


あー。まじでイライラする。


「北斗、怒んなよ…。」


「分かってる。」


「ここでキレたら今まで隠してきたの無駄になるからな。」


「うん。」


寛太に言われ、少し落ち着く。


「結衣ちゃんもマジで可愛いわ。」


「分かる。美蘭ちゃんが可愛すぎて、隠れてるけど、結衣ちゃんも可愛いよな。」


「俺らのクラス顔面偏差値高すぎね?」


「それな。幸せだわ。笑」


次は寛太がイラついてる。


「これ俺、怒っていいやつだよね?俺は別に隠してないんだけど。」


「一応、安静にしとけ。笑 まだ皆んな付き合ってること知らないんだから。」


まじでエロい目でしか見てない奴ばっかだ…。


「てか、来週から水泳始まるらしいよ。」


「そっか。もう7月だもんな。」


「美蘭ちゃんの水着、やばくね?」


「うわ、早く見たい。」


「楽しみすぎる。」


水泳休ませよ…。あー。無理だ。


「北斗大丈夫か。笑」


「無理。水泳休ませる。」


「無理だよ。笑」


「まじで、お前結衣の水着姿、他の奴に見られてもいいのかよ。」


「いや、ダメ。」


「だろ。」


スクール水着ってなんかエロいし。無理だわ。



「はい。じゃあ授業終わります。来週から水泳が始まるので、準備しておいてください。」


『はーい。』


水泳始まるんだ。水着どこにあったっけ?


「水泳やだー。」


「美蘭もやだ。泳ぐのはいいけど、着替えるのめんどくさいよね。」


「分かる。髪も濡れたまま授業受けないといけないしね。」


「確かに。」


来週から憂鬱だ…。


「でも、いいね。腹筋が見れる。」


「寛太の?」


「そう。絶対、割れてるよね。」


「もう。笑 まぁ、割れてそう。」


「みぃも楽しみでしょ?」


「えぇ。でも、いつも見てるしなぁ。」


「え。あんたたち、もしかして、」


「あっ。」


「毎日エッチしてるの?」


「え!?」


「え?違うの?」


「違う違う。笑」


「なんだ。びっくりした。笑」


「違うよ。笑」


「じゃあなんで毎日見てるわけ?」


「あ…、」


「教えなさいよー!」


「お風呂入ってるの。」


「え?毎日?一緒に?」


「うん。」


結衣はすごく驚いてた。まぁ、びっくりするよね。更衣室にはもう他に誰もいないみたい。よかった。


「付き合ってからずっと?」


「いや、付き合う前から…。」


「は!?あんた達まじでどういう関係?」


「幼馴染…?」


「幼馴染でも一緒にお風呂入んないでしょ。」


「でも、小さい時から入っててそのままって感じで…」


「いやいやいや、おかしいおかしい。」


「やっぱそうかな?」


「まぁ、今は付き合ってるから、いいけど。」


「うん…。」


「付き合う前から一緒はやばいね。」


「そうかぁ。」


「てか、北斗興奮しないの?」


「興奮?」


「付き合う前、一緒に入っててムラムラしてなかった?」


「えぇ。してないと思うけど。」


「あいつ性欲ないの?」


「いや、あるはずだけど…。」


「えぇ。付き合う前は別に興奮してなかったのかな?美蘭の美ボディを見て?」


「美ボディって。笑」


「おかしい。なんなのあいつ。」


「おかしいかな?笑」


付き合う前は、ほくどういう気持ちでお風呂入ってたのかな。


「そろそろ行こっか。ご飯食べよー!」


「うん!行こ!」


屋上にお昼ご飯を食べに行く。


「2人とも遅いぞー!」


「ごめんごめん。話してたら遅くなっちゃった。」


「食べよー!」


身体を動かしたから、お腹空いた。


「ほく?どうしたの?」


ほくがなんかいつもと違う。


「熱?」


おでこに手を当てるけど、熱はなさそう。


「北斗、今機嫌悪い。」


「えぇ。どうして?」


「来週から水泳始まるだろ?」


「うん。」


「それで、美蘭の水着姿、他の奴に見られるのが嫌なんだって。」


「えぇ。なんかごめん。笑」


「美蘭ちゃん、水泳の授業休もうか。」


肩を組まれながらほくに言われる。


「無理。」


「美蘭ちゃん、お願い。」


「無理だから。」


休める訳ないじゃん。


「もう、ほくご飯食べるよ。」


「…はい。」


お昼ご飯を食べ始める。


「あー、テスト勉強しなきゃー。」


「だね。全然勉強してない…。」


「私も。やばすぎる。」


「勉強会、いつする?」


「今日は?」


「美蘭は大丈夫だよ!」


「北斗は?」


「今日は無理。」


「え?なんで?ほく、何もないでしょ。」


「ある。美蘭も帰るよ。」


「え?なに?」


「なんでも。今日は帰るよ。」


今日は、帰るみたい。なにがあるの?


「じゃあ、明日は?」


「美蘭は大丈夫だけど、結衣たち部活は?」


「明日も休みなんだよね。職員会議みたいなのがあるらしい。」


「そうなんだ。じゃあ、明日にしよ!ほくもいいでしょ?」


「うん。」


結局明日、勉強会をすることになった。


「美蘭、帰ろ。」


「うん。」


「美蘭ちゃん、ばいばーい!」


「理沙ちゃん、ばいばい!」


放課後になり、ほくと学校から帰る。


「はぁー。体育やったから疲れた。」


「疲れたね。これから、体育受けるのやめる?」


「やめないから。まだ、水泳のこと引きずってるの?」


「やだ。まじで他の奴に見られたくない。」


「しょうがないでしょ。受けないと卒業できないもん。」


「うん…。」


相当落ち込んでるみたい…。


「ただいまー!」


「おかえりー!」


ほくの家に帰り、いつものようにほくの部屋に行く。


「あ、ほく、」


「ん?」


「みぃ、家に行って水着一回着てくる。」


「え、なんで?」


「だって、去年着てたの入るか分かんないもん。無理だったら、早く新しいの買わないといけないでしょ。」


「確かに。」


「ちょっと、行ってくるね。」


「俺も行っていい?」


「え?なんで?」


「みぃが水着着てるのみたい。」


「やだ。」


「なんで?」


「なんか恥ずかしいもん。」


「他の奴より先に見たい。」


「やだ。」


「ねぇー、みぃお願いーー。」


「無理。」


「俺嫉妬して、一日中機嫌悪くなってもいいの?」


「もう、うるさい。分かったよ。」


「ほんと!?やったぁー!」


「早く行くよ。」


「うん!」


ほくがうるさすぎて、了承してしまった。


「水着どこだっけ。」


「ここじゃない?」


「なんでほくが把握してるの…。」


「みぃの部屋は完璧だから!」


自分の部屋に行き、水着を探す。


「よし、みぃちゃん着替えようか。」


「はいはい。着替えてくるね。」


「え。ここでいいじゃん。」


「やだよ。」


「えぇ。」


「っちょっと、」


ベッドに座っているほくに手を引かれ、ほくの上に倒れ込む。


「なにすんの。」


「俺が脱がせてあげるー。」


「やめて。」


ほくに制服のシャツのボタンを一個ずつ外される。


「もう、やめて!着替えてくるから!」


「えぇ。」


ほくから逃げ、別の部屋で着替える。高校生男子、恐ろしい…。


「みぃ、着替えたらこっち来て。」


「分かったから。」


自分の部屋からほくの声が聞こえる。

水着姿見せるなんて恥ずかしすぎる。


「…はい。着替えたよ。」


「うわ、エロ。」


「もう、いい?着替えてくる。」


「ねぇ、早すぎ。」


ほくにまじまじと見られ、すごく恥ずかしい。


「みぃ、顔赤いね?」


「うるさい。」


「ねぇ、実紅さんいなかったよね。」


「そうだね。多分買い物行ってる。」


「じゃあ、ここでエッチする?」


「えっ。」


「ダメ?」


「…いいよ。」


「やったぁ。」


「着替えてくる。」


「え、このままでいいじゃん。」


「は?やだ。」


「やだ。これがいい。」


「無理。」


「だって、どうせ脱ぐじゃん。」


「…そうだけど。」


「はい、じゃあ、このままエッチしようね。」


「…。」


「あっ、ゴム無いわ。」


「確かに。」


ほくの家にゴムが置いてあるの忘れてた。


「俺取ってくるから待っててね。」


「うん…。」


ほくが取りに行ってる間すごくソワソワした。


「お待たせ。」


「遅い。」


「ごめんごめん。笑」


「何笑ってるの。」


「美蘭ちゃん、着替えなかったんだなって思って。笑」


「…ほくが言ったんでしょ。」


「従順で可愛い。」


「うるさい。」


着替えればよかった…。でも、頭の中からそんなこと抜けてた。


「マジでエロい。俺すぐイきそう。」


「そんな見ないでよ。」


「可愛い。」


ほくに見られて、自分でも顔が赤くなっているのが分かる。


「ちょっと久しぶりだから痛いかな?」


「痛いのやだ。」


「やだね。優しくする。」


「うん。」


いつもは、少し意地悪してきたりするのに、エッチの時はとことん優しくてずるい。


「痛くなかった?」


「うん。…気持ちよかった。」


「そんなこと言ったら、俺もう一回ヤりたくなるから…。」


「ごめんごめん。笑」


「身体痛くない?」


「うん。」


「ん。良かった。じゃあ、あっち戻ろうか。」


「うん!」


すごく幸せだなぁ。ほくに大切にされているのが伝わる。


「今日は早く寝よっか。」


「うん。」


映像を見た後、ベッドでゴロゴロする。


「ほく、今日なんで勉強会ダメって言ったの?」


「だって、今日エッチする約束したじゃん。」


「勉強会の後でもできるじゃん。」


「そうだけど、俺勉強に集中できなくなっちゃうもん…。」


「そうなの?笑」


「うん。」


「かわいい。」


「俺男の子なんだけど…。」


「かわいいほくも大好き。」


「そう…?」


「うん!」


「ありがとう?笑」


「どういたしまして。笑」


「寝よっか。」


「うん!」


「おやすみ。」


「おやすみ。」


おでこにキスされ眠りにつく。



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