第3話 ガラス玉と彼女

学校での授業は普通に続き、なんとも変わらない日常だった。

ただ、僕の頭の中では不思議なようにしか思えなかった……

昨日の帰りに彼女から渡されたガラス玉、そして、夕食後にみた時にガラス玉が青色にしか変化しなかった事、寝ている時に助けてと彼女が叫んでいた事、そして、今日ここに彼女がいない事……

これって関連があるんじゃ……

そう思うしかなかった……

そして、これらの事が気になった僕は遂に彼女の家に行くことにした。

あのガラス玉が彼女に関係していたとしたらと思い、自宅に帰り、ガラス玉を持って、彼女の自宅に向かう事にした……

僕は、ガラス玉を手に持ちながら、彼女の自宅へ向かっている最中、突然、ガラス玉に変化が起きたのだ……

なんと、今度は、赤色と青色に変化しはじめたのだ……

「あれ、さっきまで、青色にしか変化してなかったのに、なぜ……」

急な変化に戸惑っていながらも、彼女の家についた……

僕が呼び鈴を鳴らそうとした時、突然、窓が開いてる2階の部屋から、怒鳴る声と、泣いている声が聞こえてきたのだ……

「でも、この声何処かで……」

その声は、彼女の声だった……

彼女はとても強く聞こえた為、とても呼び鈴を鳴らせる状況ではなかった。

少し、耳を傾けると、

「私の気持ちなんてわからないじゃん、私の思いもわからないのに、なんでそんな事いうの……?

私が誰と話してもいい、私が誰を好きになってもいい……

なのに、なんで、親は私の事をしめつけるの……?」

一体、何が起きてるのか、わからずにいると、

「もう、親なんて知らない、出ていく!」

という声が聞こえ、何やらキャリーケースを引く音が聞こえた……

僕は、彼女が家から出てくる事を察し、急いでものかげに隠れた。

すると、数分後、彼女が家から出てきて、それと同時に、あのキャリーケースも一緒に引いていた。

そして、家から離れていく彼女を後ろから、僕は追いかけて、彼女が止まった時に、恐る恐る声をかけた。

「どうしたの?」

そのひと言に、彼女は、僕の方を振り向き、びっくりした顔をした。

「君はどうしてここにいるの?」

という彼女からの問いに、僕は朝、学校に彼女がきていなかったから心配していた事を告げた。

すると、それを彼女は理解したのか、

「歩きながら、話しよ?」

と言って、歩き始めた……

僕は戸惑いながらも、彼女についていった……

その時のガラス玉の色はオレンジになっていた……


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