6
信者の部屋の窓の明かりを、一匹の猫が見上げていた。
猫はつぶやいた。
「勝つのは私だ……それがこの星の意志なのだ……」
猫に戻ったモリーの口から発せられた声は、悪魔のものだった。
愛するジゴロを信者の手から奪い返すことができなかったモリーは、人間で居続けることをやめた。そして、進んで悪魔に魂を委ねた。
自分が愛したジゴロを復活させるために。
悪魔にはまだ、体制を立て直す程度の時間は残されている。自分の『財布』を持った信者がどう変化して行くのか、しばらく見守ろうと心を決めた。
白く長いひげに覆われた口元に、満面の笑みを浮かべながら。
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