第15話あぁ~あぁ~ヤっちゃった!

2人はベッドの上に横になった。

「先輩、緊張してるんですか?」

「い、いや、キンチョーの夏って言うか、ぼ、僕は実はゲイでもバイでもないんだ……」

「またまた~、先輩まだ勃起してるじゃないですか~」

何でか、杉岡はずっと勃起していた。

「先輩、シャワーで洗浄して来たんで、いつでもOKですよ。その前に、先輩の舐めたい!」

「結構です」

「え?OKって意味ですか?いただきま~す」

七瀬は杉岡のモノを口に運ぶ。杉岡は心の中で何かが壊れた。そして、七瀬の頭を掴み、喉奥まで突っ込んだ。

「ゲホッゲホッ。先輩の無理です。もう、入れて下さい!」

「どこに?」

「先輩、まだ、知らないふりしてんですか?」

「い、いや、ローションもなにもないし」

「そこの、ベビーローションでいいですよ!」

杉岡は冬は乾燥肌に悩まされるので、ベビーローションは離せないのである。それをベッドの側の棚に置いていたのだ。今の季節には必要ないのだが。


七瀬はローションで入り易くして、杉岡と七瀬は重なった。

杉岡は激しく腰を振り、熱いモノをコンドーム内に放出した。七瀬は、入れている時に自分でしごいて、ボタボタと熱いものをタオルケットの上にぶちまけた。

杉岡はこれがきっかけで、男性も悪くないと思い始めた。

「先輩、僕、どうでした?」

「良かったよ!」

「先輩!時々僕を可愛がって下さいね」

「う、うん」

2人はパンツを履きながら、

「彼女さん、いるんですよね?」

「ま、まぁ」

「邪魔はしませんから」


七瀬は杉岡の腕にくるまり、すやすや寝ているが、杉岡は朝まで眠れなかった。

自分にこんな一面があったとは……。

ユミを守る為に、ゲイを演じていたが、まさかホントに自分がゲイになるとは。


翌日、会社に行くと海上作業課の事務の女の子が杉岡に近付いてきて、

「今朝、七瀬君から全て聞きました。わたし達、全力で応援しますから」

「な、何事かな?」

「杉岡主任、ゲイなんですよね?そんな、顔してどうしたんです?」

「七瀬はどこだ?」

「彼は今日から大阪支部へ出張です。さっき出て行きましたよ!寂しいんですか?」

「……」

「七瀬君は、主任がバイかもって言ってたんで、わたし達も諦めませんからね」

「ぼ、僕は忙しいから、また後で」

「は~い」

どうなってんだ?よし、ここは策士・倉橋の出番だな!

それにしても、七瀬は秘密どころか女子にリークしやがって!

杉岡は喫煙所へ向かった。右足は包帯が取れ、湿布薬でずいぶん身軽になった。

自律神経失調症にならなくて済んだ。だが、私生活はめちゃくちゃな展開になってしまった事を後悔していた。

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