第6話杉岡の失敗

「ナニ?」

杉岡は酔い始めていたが、まだ思考は正常だ。

「私、君の裸みたいな~」

「ほら、きっさま美人局だろ?」

「昨日から、私の事、美人局って言うけど、軽トラを運転する美人局っているの?」

「今は手が込んでんだよ!」

「だけど、杉岡君、いい体つきね」

「だ、だから?」

「今夜、しない?」

「竹刀?」

「バカ、エッチの事だよ!」

杉岡は缶ビールを開けて、一気飲みした。

「冗談はよそうや」

「私は本気だよ!」

「まだ、知り合って1週間だよ!」

「だから?」

ユミは、ハイボールの缶を開けながら、冷静に、

「君のおちんちん、見たいな~」


杉岡は戸惑いを隠せない。この一回り離れた女性を意識してるのはおかしい。

僕だって、頑張れば若い女の子を見付けられる。しかし、据え膳食わぬは武士の恥。

杉岡はTシャツを脱いだ。

「うわっ、凄い筋肉。君、ジム通ってるの?」

「じむ?仕事は事務だよ!」

「バカ、身体を鍛えるジム」

「あ、あ~、僕は高校から弓引いてるから」

「アーチェリー?」

「いや、弓道」

「しぶいね」

ユミは杉岡に近寄り、露になった上半身を見詰め、胸筋が鍛えられた胸に触れた。


「いいな~、この筋肉。ねえ、乳首舐めていい?」

杉岡は頷く。

ユミは杉岡の胸を舐め始めた。

キスもまだしてないのに。バーベキューの炭火は消えかかっていた。ランタンの灯りだけの空間。

杉岡のジュニアは直ぐに反応した。そこに、ユミは手を置く。

「まだ、若いな~君は。こんなに大きくしちゃって!」

「ゆ、ユミ。我慢できない」

2人はバーベキューで使った、焼き肉のタレのニンニクの匂いなど気にせずに、唇を重ねようとした。

すると、杉岡は、

「ち、ちょっとストップ!」

「どうしたの?」

彼は草むらへ走り、盛大にリバースした。

オエオエやってると、ユミが過ぎるの背中をさすっていた。

「つ、続きいいかな~」

「なんで、ゲロ風味の君とキスしないといけないのよ!」

「ぼ、僕はだいじ……オロオロオロッ!」

再び、リバースした。


この晩、杉岡のゲロで終了した。テント内で寝ている杉岡の寝顔を横目にユミは、また、ハイボールの缶を開けた。

「まっ、今夜はいっか。また、誘おうかな。いいチャカ持ってんのに、もったないな~」

私の秘密がバレたら、杉岡君逃げちゃうかな?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る