第4話何なんだ?

杉岡は体が固まったが、我に返った。

「ユミさん、僕はそんな手には乗りませんよ!この美人局めっ!」

「冗談も通じないんですか?」

冗談だと?ちょっと、期待した杉岡は冷静になろうとハイライトに火を着けて、コーヒーをチューチュー飲み始めた。

「杉岡君、案外、女に弱いんだね?」

「す、杉岡君?」

「だって、私より一回り歳下だよ~」

何なんだ?この女、馴れ馴れしい。

「ユミさんは、お仕事は何をしてるんですか?」

「え、仕事?AV女優」

「またまた~、そんな人が毎朝コーヒー飲む訳ない!」

何の根拠があると言うのだ。偏った見識である。

「学習塾で、数学教えてるの」

「やっぱりー、塾講師じゃないのさ~」

「がっかりした?」

「全然」

「ねぇ、杉岡君、今週の土曜日空いてる?」

「う、うん」

「ドライブ行こっ」

「ど、ドライブ~?僕は車持ってないよ!」

「大丈夫。おじいちゃんに車借りてくる。安心して、ゴールド免許だから」

「わ、分かった」

「時間は朝9時。名古屋駅裏の電気屋の裏ね?場所分かる?」

「大丈夫。新幹線口の方だよね?」

「宜しい」

今日は、2人一緒に店を出た。


土曜日

待ち合わせ場所に、杉岡はいた。

久しぶりのドライブにドキドキした。ユミちゃん、どんな車かな?


プップー!


ユミは杉岡の姿を確認して

「こっち、こっち、杉岡君」

「えっ?この車でドライブ?」

「そうだよ!おじいちゃんから、スーパーカーを借りてきたのだ!」

「す、すごいね」

ユミは、スズキの軽トラをおじいちゃんから借りてきたのだ!

狭い車内で、ユミは言う。

「マック行こうよ。朝食べてないの」

「ま、まさか!」

「もちろん、ドライブスルーよ!」


このドライブは、2人にとって新たな展開を見せるのであった。





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