第24話 行き方

 朝食を食べ終わった後、俺はアクムス街の行き方が分からない事を思い出した。

「そういえば…この前の人達に教えてもらったアクムス街は、どのように行けばいいんだろう?」

「町を出る前にアクムス街の行き方を聞こうよ」

 その後、俺達は宿を出てアクムス街の行き方を町の人に聞きながら歩きだした。

 町の人に聞いたら…

『名前は知ってるけど…、行き方は知らない』

 との声が多く、どうしようか迷っていたら

「ラン…次の人に聞いても分からなかったら、諦めて次の町に行って聞いてみようよ」

「そうだね…そうしよっか。どうせなら、お店の人に聞きながら買い物もしよう」


 そんな話をしながら俺とアリーは市場に向かい、屋台でパンや干し肉を買ってからそこでアクムス街の行き方を聞いた。

「あの…すいません、アクムス街に行くにはどうやって行けばいいですか?」

「ん?アクムス街?」

「はい、そこに行きたいんですけど…行き方が分からなくて…」

 恥ずかしかったのか、真っ赤になったアリーが聞いた。

「すまん、俺も詳しくは分からないんだ。ただこの町を出て、まっすぐに進むと違う町が有るから…」

「あ、それだけでもいいです。ありがとう」

 新しい情報が入って、俺達は嬉しそうな声を出してしまった。

「い、いや…別に大したことじゃ…。ここら辺の人達は皆知ってるから…」

「俺達にとってみれば始めての情報だったから」

 屋台の人は俺達の様子を見て

「ただ、盗賊や魔物には気を付けて行けよ」

「分かった。気を付けて行くよ」

 屋台の人と別れて…今聞いた道を歩き出した。


 それから2時間ぐらい休憩をしながら歩いたら、小さい町が見えた。

「あれがさっきの人が言ってた町かな?」

「多分、そうだと思う」

 俺も自信がないけど、アリーの問いかけにそう答えた。

「じゃあ、まずは町に寄ってお昼を食べよう」

「うん!あの町には何があるかな?」

 そんな風に話しながら歩き、町に入った。一番始めに会った人から、アクムス街について聞いてみた。


「あの…すいません。アクムス街に行くには、どうやって行けばいいですか?」

 そしたら思った以上の返事が返ってきた。

「ん?アクムス街?それならこの道を通って行けば着くよ。目印は門番が立ってる町がそうだよ」

「?普通の町には門番はいないんですか?」

「あぁ、此処ここを見れば分かるように小さい町にはいないよ」

 その人はそう言って町の入り口を見た。

「なんか、すいません…」

「いや、いいんだよ。ここら辺はだいたいこんな感じだから…」

 なんだか気を使わせてしまった。

 その後、どこかで何か食べる場所があるか聞きそこに向かった。

 

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