第23話 種族
「ハーフエルフって…アリー自身は人と外見は変わらないよね?目の色が違うだけでそんな迫害を受けるものなの?」
不思議な疑問を抱きながら、続いてこんな言葉を放ってしまった。
「アリー自身が悪い訳じゃないし、気にしない方がいいよ」
「でも、ほとんどの人から変な視線で見てくるから」
泣きそうなアリーを慰め《なぐさめ》ながら
「外見で判断する人は信用出来ないと思えば少しは気が楽になるんじゃないか?」
「そんなもんかな…」
「そもそも、視線を気にしてたら何も出来ないし…」
周りから悪い意味で見られてたアリーは自信を失ってるのか
「う、うん…他にも有るけど。…ランは私に無理して付き合うことはないのよ?」
いきなりアリーからそんな事を言われ驚いた。
「えっ!いきなりどうした?俺は無理なんてしてないよ!…それにアリーとの旅は楽しいし…」
「でも…私の事で色々巻き込むのは…」
あぁ、なるほど…
「俺のことが信用出来ないから…」
心の声が漏れてたのか
「そんな事ない!!ランは私の心の支えになってるのよ!」
「じゃあ、もっと信用されるように頑張ってみるよ。そうすればアリーの悩みも聞けるし…」
俺がそんな事を言ったからか、涙を流し始めアリーがいきなり大声で泣き出した。
「う、ひっく、ひっく…う、ああーん!!」
「ア、アリー!?ど、どうした?何かあった?」
俺は慌てながらアリーを慰めた。
「な…なんか、ごめん。アリーの気持ちを考えないで変なこと言っちゃって…」
「ううん…ひっく、そうじゃなくて嬉しかったの。そんな風に心配してくれる人はいなかったから…」
「な…ならいいんだけど…」
溜め息をつきながらホッとしてたら、アリーが落ちついてきたのか
「ありがとう、私の事に付き合ってくれて」
そう言いながら、俺の膝に頭をのせて
でも、アリーの心が少しでも軽くなったみたいで安心した。
次の日、アリーを見たらスッキリした顔をしてた。
「おはよう、少しは心が軽くなった?」
「おはよう、昨日はいろいろ相談に載ってくれてありがとう。それに膝の上で寝ちゃってごめんね」
恥ずかしかったのか、顔を真っ赤にして謝ってきた。
「そんなの気にしなくてもいいのに…、と言ってもアリーの場合は気になっちゃうのか…」
縮こまったアリーに
「まぁ、俺と同じで少しずつ慣れていこうよ」
「ランと同じ…あっ!!確かに…ランは人の関わりかた、素の感情を出すこと。私は人の視線を気にしないこと…」
今、思い出したのか…その言葉に俺とアリーの状況が似ていることに気づいたみたいだ。
「そうだね、俺達は先ず弱点を治すことから頑張ろうか…」
そんな感じで朝食を食べながら話し込んでた。
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