第5話 出会い3
「あなたが助けてくれたの?」
「そだよ、目の前で倒れれば助けるに決まってんじゃん」
「…ありがとう、私の名前はアリエッタ。アリーでいいよ。…あなたは貴族様ですか?」
「うん、元だけど貴族だよ。…でもどうして分かったの?」
「えっ…あの母が『きれいな話し方をしてる人やきれいな服を着ている人は貴族と思った方がいい』って言ってたから…」
「俺、そんなに分かりやすいのかな…」
ちょっとへこみ、これからの事をどうしようか悩んだ。すぐに貴族だとバレてしまうと…。
「あの、ランティス様の言葉はそうでもないけど、水色のショートカットや服の方がきれいすぎて…」
アリーは言葉を探しながら
「平民は古着を使えなくなるまで着るから、穴や汚れがないほうが変に見えてしまうんです」
彼女の言葉に少し納得して
「これでも地味に見えるように自分で用意したんだけど…」
ちょっとショックを受けた。
「あの…ランティス様はどうしてこんなとこにいるのですか?」
「あー、俺は勘当されて貴族じゃなくなったから」
アリーは呆然とした顔で
「な、なんで平然としていらるの!?」
「今までの生活から逃れたからかな…」
そして今までの事を話した。
「な、なんて親なの!!」
と自分の事ではないのに、怒ってくれた事が嬉しかった。
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