第8話 スキル

「そ、そういえば、アリーはなんのスキルなの?言いたくなければ言わないでいいから」

「算術と鑑定」

 えっ…

「ダブルスキルってすごいじゃん!!」

「でも役に立たないスキルなんか知りたくなかった」

 俺とは違う意味でがっかりしていた。

「俺よりか、いいと思うけど…」

「ランティス様は何のスキルだったんですか?」

 恥ずかしいから言いたくなかったけど、自分だけ聞いて答えないのはおかしいから

「符術」

「えっ!?それってすごいじゃん!!」

「なんで?」

 不思議に思いながらも口に出てたのか

「それがあるだけで、普通の生活には苦労しないから」

 貴族と平民の価値観の違いがこんなとこにも有るなんて思いもしなかった…


 アリーから聞いて見たところ平民は魔力が少なく、普通の生活が結構大変らしい。でも符術があればすごく楽になるらしい。

 紙に水と書いて少量の魔力を注げばそこから水が出るという。


 俺は紙を出して、水と書いてみた。そして窓から外を見て何もないか確認して少し魔力を注いでみた。

 そしたら水が出てきた。

「えっ!こ、これって生活に役立つの!?」

「もしかして使ったことない?」

 そう聞かれ、素直に認めた。

「う、うん。俺の生活には必要なかったから…」

「あっ、貴族はそうだって母が言ってた。元々魔力が高いから…」

 そうか、いろいろと違うんだ。

「じゃあ、この紙は町長さんに渡してもいい?」

「え、うん。いいと思う。私たちいろいろとお世話になってるし…」




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