第2話 選定の儀

《一か月前》

司祭「生徒諸君!これより選定の儀をおこなう!」


選定の儀を取り仕切る司祭から選定の儀の開始が告げられた。

選定の儀は毎年多くの生徒が参加する。その数は実に500人近くに及ぶとされている。

そのため、選定の儀はサクサクと勧められていく。

選定の儀の開始が告げられた後、生徒たちは5つの列に分かれ、順番に選定をうける。

選定の方法は簡単で、各列の先に選定用の水晶と板をもった司祭の部下の人たちが立っていてその水晶に生徒たちが順番に触れていく。すると板の方にどんなスキルを授かったのかが表示される仕組みになっている。


列に並んで自分の番を待っていると列の先で司祭の驚きの声が上がった。


司祭「なに!?魔剣聖だと!?素晴らしい!!これは奇跡だ!!誰か!急ぎ王宮へ報告を!」


どうやらすごいスキルをもらった人がいるらしい。

つま先立ちで列の先をみるとそこにいたのは僕の幼馴染であり将来を誓い合った恋人でもある少女、『リナ・クリムゾン』だった。

リナは昔から運動神経がよく、学園に入学してからは自身の才能をみるみるうちに開花させていき、一部では天才といわれる程であった。

そんな彼女が魔剣聖のスキルを授かったのだ。恋人である僕としてもすごくうれしい。彼女なら将来生活に困らないどころか薔薇色だろう。


そうこうしているうちに僕の番になった。離れたところでリナが見ている。僕がどんなスキルを授かるのか気になるのだろう。

僕は言われるがまま水晶に触れた。

・・・

ん?なにも反応しないぞ?

僕が首をかしげていると司祭の部下が震え始めた。何かあったのだろうか?

もしかして僕にもリナのようになにかすごいスキルが与えられたのだろうか?


司祭部下「、だと?」


え?今なんて...


司祭部下「司祭様!大変です!」

司祭「どうした?なにがあった?」

司祭部下「この者、スキルがありません!です!」

司祭「なんだと!?本当か!?なんということだ...」


いま確かに聞こえた。と。


周囲がざわつく中、僕の意識はそこでとぎれた・・・

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