周囲からは見下され、恋人に捨てられましたが神様にもらった【全能眼】で成り上がります!

KBTMSI

第1話 始まり

 グラム「せい!はっ!」

 僕、グラム・ワーグナーは今、日課である朝の鍛錬でもある剣の素振りをしている。

 現在、学園ではある意味「人気者」である僕は真剣に日々の日課をこなしているつもりだが、周囲から向けられる目は冷たい。

 その理由は一か月ほど前に行われた選定の儀にある。それは僕にとって孤独と絶望の始まりの日でもあった...




『選定の儀』

 それは僕たちの住むこの世界では成人になるための儀式であり、また、神からスキルをもらう為の人生において最も重要とされる日の一つとされている。

 選定の儀は年に一回、大陸に存在する通称『大陸五大国』と呼ばれる五つの国、『ムスプルヘイム炎帝国』、『ニブルヘイム氷帝国』、『ユグドラシル樹帝国』、『シャングリラ聖帝国』、『ヘルヘイム魔帝国』の各地で同じ日、同じ時間に同時に行われる。


 選定の儀に参加するのは各国に設立された学園にて中等部から高等部へと進学した生徒である。この世界では成人とされる基準に年齢は関係しない。学園の高等部に進学するだけで成人として扱われる。

 そのため、学園に入るのはその国の法で定められており、貴族や平民といった身分に関係なく入れるため、毎年多くの子供たちが小等部へ入学することになる。


 学園の運営費用は年に一度、五大国の首脳が集まる大陸会議にて、各国で学園運用のために集めた税金を五つに分けた金額がそれぞれに支給されるため、学園に通い授業を受けるのに各家庭がお金を出す必要がない。加えて全寮制であり、その寮の運営費も税金から支払われるため平民に関しては基本的に皆必ずと言っていいほど寮に入る。ただし、生活費に関しては自分たちで用意する必要がある。

寮に住む生徒のほとんどは実家から仕送りを受けているが、中にはそれが難しい家庭もある。それに関しては学園の施設エリアにある学生用冒険者ギルドにて仕事を受けることで稼ぐことができるので問題はない。

(なお、受けられる依頼に関しては依頼を受ける生徒の所属するクラスや所持しているスキル、その他様々な情報をもとに選ばれる)

幼いころに両親を亡くし、祖父母によって貧しいながらも育てられた自分にとっては祖父母に苦労を掛けなくていいのですごく助かっている。

そんなこんなで僕は入学から今まで学園生活を送っていたのだが...














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