不思議な薬屋さんの秘策5

「おはようだべ、お姉さん」

「おはようございます。でも、どうしてこんな朝早くから呼び出したの?」

「あ、ボク達ご飯まだなの〜。話聞きながら食べてもいい〜?」

 図々しいガイの申し出に怒ることなく、お姉さんは四人にもカウンター席に座るよう促した。

「飯食いながらでいいよ。ちょっとあたしからの提案があるんだ。食いながら聞いとくれ」

 その言葉に、四人はバスケットから特大サンドイッチを取り出しながら頷いていた。

「まず、今回のリタさんの事件と大臣の悪巧み……。これはもはやアーサガ王国の一大事だよ」

「まさに陰謀〜!」

「野望!」

 とっさに口を挟むガイとシンに、ハイハイとなだめるヨウサである。

「そこでだけど、あんたら四人にはこの事件の解決に一役買ってほしいんだ」

 お姉さんの頼みに、即座に答えたのはシンだ。

「もちろんだべさ。こんな一大事、ほっとけねーべさ」

「リタさんの連れの方も心配だし、うーたん……おっと、王女様だってほっとけないわ!」

 続けて答えるのはヨウサだ。そんな二人に頷きながら、更にシンジも付け加えた。

「それに今回のこの事件、どうにもまたフェイカーが絡んでいるからね。僕たちの進級課題にもなんだか繋がりそうな気がするから、喜んで受けるよ」

「面倒なのは嫌だけどね〜!」

と、最後に付け加えるのはガイである。そんな四人の返答を聞いて、お姉さんは続けた。

「じゃ、お互い利害一致というわけだな。じゃあ、あたしも喜んで手を貸そう」

 お姉さんは一つ息を吸って、真剣な表情で四人とリタを見た。

「まずだな、あのクソ大臣と女魔術師の悪巧みが、本当なのか見極めなきゃいけない」

 その言葉に反射的にシンが口を挟んだ。

「間違いねーだべよ。オラたち、確かに聞いただべ」

 すると薬屋のお姉さんは、残念そうに瞳を閉じて首を振った。

「あんたらの話だけじゃだめだ。このアーサガ王国のみんなが信用できるような情報を発信しないと。そのためにも、奴らの悪事を国民の前でさらさなきゃいけない」

「でも、そんなのどうやって?」

 もごもごとサンドイッチを飲み込みながら問いかけたのはシンジだ。お姉さんは続けた。

「一番確実なのは、王女様本人に語って頂くのがいいだろう。ご病気でないことは、御本人のお姿を見せれば、民衆は一発だ」

「じゃあ、うーたん王女をまずは助け出さなきゃね!」

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