不幸な少女6

「待ってよ〜! またそうやってすぐ人の事件に首突っ込むんだから〜。ボクらだって、進級課題で忙しいんだよ〜。人の事件に首突っ込んでる場合じゃないよ〜」

 だが、反発したのは彼だけだったようで、

「何言ってるのよ! こんな状態のリタさんをほっとけるわけ無いでしょ!」

「まあまあ、情けは人の為ならずって言うじゃない。ここでいいことしたら、どこかで星魔球のヒントにつながるかもしれないよ」

と、ヨウサは怒るし、シンジは回り道も前向きだ。そんな三人に対して、ガイは心底呆れたようにうなだれた。

「毎回毎回〜、みんな人がいいんだから〜……。事件に首突っ込むのは構わないけどさ〜、でもどうやってリタさんの仲間を助けるのさ〜?」

「…………」

 ガイの問いかけに途端四人は黙り込んでしまう。そうなのだ、恐らく誰かに操られているのだろうが、どうやって解決すればいいのかは、さっぱりわからないのだった。

 出だしから、難問な事件である。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る