美少女と怪人5
見上げればかなり身長の高い紳士だ。右手が凍りついているというのにもかかわらず、痛がる様子もない。口元も無表情、一つ目と相まって余計不気味に見えた。地面につっぷし、まだ動けない二人に対し、一つ目紳士が再びその左手を持ち上げた。それに気がついたシンは、即座に呪文を唱えた。
『
直後凄まじい風が吹き荒れ、シンジと少女の目の前に、見えない風の壁が出来上がった。あまりの風の勢いに、紳士が振りかざした左手は弾かれ、その勢いでバランスを崩し一つ目紳士は地面に倒れ込んだ。それを見て、シンジがシンに叫んだ。
「よくわかんないけど、ひとまず逃げよう! はやく、君も!」
言うが速いが、シンジは黒髪の少女の腕を取り駆け出した。シンは倒れた紳士を一度横目で確認し、すぐに二人の後を追う。しかし紳士が立ち上がりそうな様子を確認して、背後に向けて威嚇の攻撃を二発繰り出した。
『
短剣を振り下ろすと同時に、風の刃が剣から飛び出した。そんなシンの魔法攻撃に気がついた紳士は、身を捩るようにして風の刃を二連続で交わす。しかしその間に双子と少女は、彼の目の届かない所に既に消えてしまっていた――。
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